蟹食べいこう!

ボーナスが出て,家族四人で蟹を食べに行こうと決まった。年に一度か二度の贅沢をしよう。今日,川崎駅の蟹料理屋に行った。蟹ミソなどのオードブル,蟹のお刺身,蟹鍋。ああシアワセ,と子供たち。妻の長電話で食事の前の買い物がお流れになり膨れっ面をしていた下の娘も上機嫌。残った出汁で最後に雑炊を作ってもらった。万能葱と海苔の薬味が香ばしくて最高だった。やっぱりご飯が食べたい。

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粂井康孝著『猫でもわかる Windows プログラミング』で Win32 API によるプログラミングを勉強中。先日,『Windows プログラミングの極意』を読み,その気になった。別段,作りたい Windows プログラムがあるわけではないのだけど,まずは基本的なところをさっと一巡りしておきたいという思い。

星の数ほどある Windows プログラミング本のなかから本書を選んだ理由は,現在の主流かと思われる Visual C++ MFC や .NET には目もくれず,基本中の基本である Win32 API に特化して解説し,Borland C++ Compiler 5.5 でコンパイルすることを考慮した記述になっていることである。Borland C++ Compiler 5.5 は,定評のあるコンパイラであるだけでなく,無償ダウンロードで入手でき,本書 CD-ROM にも同梱されている (昔は LSIC という無料の DOS 用 C コンパイラを使ったものだが,いまや Borland も無償で製品を配布する時代になったのかと,ちょっと感銘を受ける)。特別の出費なしに本書のサンプルプログラムをビルドして試すことができる。私のような日曜プログラマは Microsoft Visual C++ .NET を購入するのに二の足を踏むのではないだろうか。ただしスクリーンセーバーの解説サンプルだけは Visual C++ を所有していないとコンパイルできない。

本書は — 別途 C 言語文法を勉強していないといけないけれども — Windows プログラミングの初心者向けに書かれている。当然デバイスドライバなどのシステムプログラミング,インターネットアプリの作成,数値計算といった目的まではカバーしていない。また本書は日曜プログラマの実用指向であって,なんでそれをしなければならないか,してはならないかの原理までを掘り下げた解説を行うには限界がある。それでも,メッセージループに基づく Windows プログラミングモデル,リソーススクリプトによる GUI の作法を巧みに説明していて,印刷,レジストリ操作,画像処理の基本をも扱っている。ちょっとしたツール,デスクトップアクセサリーを C で書けるようになるはずである。

もう少し欲をいえば,ビギナー向けの書籍なのだから,Windows プログラミングのさらに先を行きたいひとのために著者お勧めの参考書をあげるとか,本書で述べていない重要なトピックのリファレンスを示すとかが欲しい。最近 Windows プログラミングは C/C++ に限っても MFC,.NET などのフレームワークが華やかで,目的と手段が多様化し過ぎていて,私のように不案内なものにはこれらの位置づけを簡単にでもよいので解説してほしいと思うのではないか。

それにしても本書の著者粂井さんは,本業が超多忙な医師でありながらこうした書物を著してしまう方である。日曜プログラマの鏡なんである。本書のほか,ネットワーク/ゲームプログラミングについて述べた『猫』シリーズもある。