とあるエディトリアルデザイナの方からメールをいただいた。misima で変体仮名が扱えないのかとのご質問。
扱えません,というだけなのも面白くないので,今昔文字鏡のフォントを使って,変体仮名を出力する文書を作成してみた。今昔文字鏡 LaTeX パッケージを利用した。
今昔文字鏡には変体仮名が 213 文字収録されていて,さすがである。普通の仮名文字と並べて組むと文字のバランスが極めて悪いのだが,フォントの筋が違うのだから当然といえば当然で,変体仮名だけの文字を並べて組版する限りにおいてありがたいのは言うまでもない。といっても私には変体仮名を使う局面は想像できないのではあるが。変体仮名と文字鏡番号の一覧を整理しておく。
こっそりここに PDF を置いておきます。
misima にはもともと旧字変換を今昔文字鏡番号で出力する機能が備わっている。ただし,今昔文字鏡のライセンスの関係で辞書から削除して公開しているわけである。変体仮名だって,ローカルインストールパッケージ misima-2.3e.tar.gz を組み込んで,ユーザ辞書に今昔文字鏡番号をしかるべく定義を追加すれば利用できる。
misima の総合ドキュメントを作成中である。パッケージのインストール,コマンドの使い方から,Web サイトの構築,SOAP WebService 関連など,これまでちょこまか個別に公開してきた断片を集約した解説である。
その過程で,もともと不満のあった misima SOAP クライアントとサーバの作りがやはり気になって,少しチューニングしているところでもある。SOAP クライアントのエンドポイントがハードコーディングされていたり,SOAP サーバの WSDL がきちんととれないなどの問題も抱えている。Java と SOAP / Axis 実装についていま再び勉強している。
ドキュメントと SOAP 関連の見直しが完了したら misima-2.3f として公開予定である。