八月九日の初戦で見事に勝利を収め,オシム/新日本代表は好スタートを切った。でも,異例の数々についてメディアが騒いでいるのをみると,ちょっと不安になってきた。
日本人の身の丈サッカーなるオシムさんの考え方は,なかなか論理的で,私の期待も大きい。F=ma なる運動方程式が教えるとおり,m(質量,身体力)で劣る日本人は a(加速度)で F を高めて行くしかないというのは納得できる。「世界一を期待するなら私はお門違い」と明言する彼の姿勢は,別にナンバーワンでなくてもいいから怖いサッカーをしてほしいという私の思いとも通じる。
しかし,スピードで勝つその前提にある「考えるサッカー」はどうだろう。「何それ?」というのが選手たちの正直なところではないか。実は選手やコーチが頭脳明晰なオシムさんについて行けず,結局また失敗に終わるのではと心配である。