Mac OS X Tiger 10.4.6 に統計解析ソフトウェア R を,Mac OS X 版のダウンロード・ページに従ってインストールした。R は国際的な共同開発になるオープンソース・ソフトウェアで,専門家によって吟味されており定評がある。研究者の努力により,マニュアル日本語訳も入手できる。
仕事の上では,Microsoft Excel, Word, PowerPoint が文書作成の三種の神器になっている。どこの企業でも似たようなものだと思う。組織的にツールを使う場合はデータ共有が最大の課題なので,好むと好まざるとにかかわらず,決められたものを使用することに意義がある。
一方,目的の特化した狭い専門的チームや,個人的研究などでの利用を考えると,必ずしも Office が最適な選択であるとは限らない。R や Octave などの高度な数値解析ツール,論文作成のための TeX は,学術研究の領域では広く利用されている。私もその古典籍,外国語の組版の素晴らしさに,ここ 10 年間 TeX に血道をあげてきた。なのに,これらを連携させて効率よく使うための統合ソフトウェアの存在は聞いたことがない。だれかが作ってくれないものか。
私の論文での R 活用について記事「統計解析ソフト R による『オネーギン』色彩分析の検定」を書いたので,参考になればと思います。
統計解析ソフトウェア R に関する書籍はかなりの点数が刊行されているが,私のお勧め(というか,手元において参考にしている本)をあげておく。中澤港の著書は 170 頁余りの薄い本ながら,R を用いて一元配置分散分析・多重比較を行う方法について,私の蒙を啓いてくれた。クラスカル=ウォリス検定,ポンフェローニ,ホルムの方法などノンパラメトリック方法についても例がある。