今年の漢字は「北」

今年の漢字は「北」に決定,とのニュースをみた。

「北」朝鮮危機が真っ先に頭に浮かぶわけである。今年は,朝日をはじめとするマスコミの仕掛けたモリカケのようなアホ事案で国会が振り回された次第であるが,今年の漢字は,モリカケの忖度,つまり「忖」でも「度」でもなく,北朝鮮核ミサイルの安全保障問題にまつわる「北」という結果となった。一般の日本人は,野党議員や,朝日新聞・テレビ報道に翻弄されるある種の人のようなアホではなく,概して,きちんと世界を見ている,と俺は痛感させられた。衆院選の結果と同様,これが民意であろう。

手元にある学研の『漢字源』を引く。「北」は日の当たらぬ寒くて背を向ける方角で,色彩としては黒。また,「にげる」(敗北の「北」)「そむく」意味もあり,否定的な字訓である。もともとの解字としては,右と左の人が背を向けあって対立しているところ(ここから,にげる,そむく)を表すのだとか。「対立」ということである。「北」が今年の漢字というのは「対立」こそが今年の象徴ということともいえるのだろうか。「北」京,「北」朝鮮,たしかに,日本にとっては背を向けたい最悪の存在である。

ところで,葛飾北斎の「北」斎という号も,「日の当たらぬ,何かにそむいてばかりいるオヤジ」っていう諧謔かと俺は思う。きちんと調べたわけではないので悪しからず。北斎は「画狂人」とも号していたのだから,「北」字に風狂をこめていたのではと想像する。
 
「北」は禍々しい文字である。北冥に魚あり,其の名を鯤と為す(『荘子』)。鯤に世界が呑み込まれないことを祈る。今年は俺も個人的にろくな年ではなかった。親父が亡くなり,金の苦労もした。悪霊退散,怨霊調伏,厄祓いに深川・富岡八幡宮にでもお詣りすべきか。