IPAmj 明朝フォント Ver.004.01 on LaTeX

macOS Sierra に TeX Live 2017 を導入して,IPAmj 明朝フォントの新しいバージョン Ver.004.01(2016.7.8)を組み込んだ。

IPAmj 明朝フォントは,行政で用いられる人名漢字等約 6 万字の漢字を整備する事業として,独立行政法人情報処理機構が開発・配布する TrueType フォントである。戸籍統一文字,住民基本台帳ネットワークシステム統一文字を包含する大規模なものである。

齋藤修三郎氏が開発した IPAmj 明朝用パッケージは,日本語 LaTeX での IPAmj 明朝フォントの使用をサポートするマクロ及び VF フォントパッケージである。v0.2.6(2016.7.16)で IPAmj 明朝フォント Ver.004.01 をサポートした。PDF 生成ソフトウェア dvipdfmx を用いて IPAmj 明朝フォントを埋め込んだ PDF の出力が可能となる。

組み込みの端末オペレーションは以下のとおり。なお,Bash 前提である。

  1. IPAmj 明朝フォント,IPAmj 明朝パッケージリソースのダウンロードと展開
    $ curl -O http://psitau.kitunebi.com/ipamjm.zip
    $ unzip ipamjm.zip
    $ curl -O http://dl.mojikiban.ipa.go.jp/IPAmjMincho/ipamjm00401.zip
    $ unzip ipamjm00401.zip
  2. LaTeX ツリーへの格納
    $ TEXDIR=/usr/local/texlive/texmf-local
    $ sudo mkdir -p $TEXDIR/tex/latex/ipamjm
    $ sudo mkdir -p $TEXDIR/fonts/{map/dvipdfmx,tfm,vf,truetype}/ipamjm
    $ sudo cp ipamjm.ttf $TEXDIR/fonts/truetype/ipamjm/
    $ sudo cp ipamjm/sty/ipamjm.sty $TEXDIR/tex/latex/ipamjm/
    $ sudo cp ipamjm/fonts/tfm/*.tfm $TEXDIR/fonts/tfm/ipamjm/ 
    $ sudo cp ipamjm/fonts/vf/*.vf $TEXDIR/fonts/vf/ipamjm/
    $ sudo cp ipamjm/map/ipamjm.map $TEXDIR/fonts/map/dvipdfmx/ipamjm/
    $ sudo mktexlsr
  3. ipamjm フォントマップの登録
    $ sudo updmap-sys --enable KanjiMap=ipamjm.map

以上で組み込みは完了。IPAmj 明朝パッケージに添付されているサンプル文書(newglyph.tex: IPAmj 明朝フォントのバージョンで新たに追加された文字の一覧)をタイプセットしてみた。IPAmj 明朝パッケージの使い方はかつてここにも書いたので参照いただきたい。

$ cd ipamjm/sample
$ ptex2pdf -l newglyph.tex

お,変体仮名が入っている。


IPAmjm sample: newglyph.pdf