申春節

今日は旧暦の一月一日。中国では春節といって,盛大に祝う日であり,これから二週間ほどは祝賀ムードが続く。今朝のニュースでは,延べ二十九億人の中国人が旅行その他で国内外を移動するとのことだった。想像を絶する規模である。中国人日本旅行者による「爆買」も大いに期待されている。中国経済は不動産・株・設備投資のバブルがとうとうはじけて世界の景気に深刻な影響を与えはじめている。それでも,まだまだ中国人は元気なようである。Welcome to Japan! たくさんたくさんお金を落として,よい思い出を中国に持って帰ってください。

立春初候。東風凍を解く。南南東を向いて恵方巻を喰らった。お隣の紅梅も咲いた。まだまだ寒いわけだけれども,少しは春めいた気分になったところである。世の中は,キヨマーの覚醒剤取締法違反容疑による逮捕と,北朝鮮のミサイル発射で大騒ぎ。どうも春にそぐわず景気がよろしくない。俺はもともと清原が嫌いなんで(清原や日ハム中田みたいなヤンキースポーツ選手は嫌いなんである)さっさと塀の向こうへ行きやがれくらいのノリである。アベさんは独自制裁を北朝鮮に対して発動すると息巻いている。何の効果があるんだろうか。ま,俺個人の生活には清原も朝鮮半島も何の関係もない。それにしても,北朝鮮は建国記念日が九月九日ということから九という数字にこだわるそうで,今回は専門家の間では二月九日が本命だったらしいが,果たして二月七日。でも,2 + 7 = 9 となる日にぶっ放してくれたわけだ。前回のミサイル発射実験も 12.12.12 の日で,1 + 2 + 1 + 2 + 1 + 2 = 9 だった。へえ,と思ったのはこれだけ。

今年は立春が二月四日で,今日二月八日が旧暦一月一日ということは,旧暦では年内立春だったわけである。昔は年が開ける前に春が来るということで,しばしば歌のネタになったようである。「年のうちに春は来にけり一年を去年とやいはむ今年とやいはむ」(『古今集』在原元方)。年内に立春を迎えたいまこの瞬間を今年というべきか去年というべきか,というジョークである。芭蕉もこの主旨で句を詠んだ —「春や来し年や行きけん小晦日」(寛文二年)。知られている芭蕉句では句集の一番最初に掲載される俳聖十九歳のころの句である。