春闘の季節に

週末,春闘交渉の始まりについての状況報告が人事部からメールされてきた。労使主張の対称表のお決まりの報告フォーマットは,恒例行事感いっぱい。電機労連も本格的に春闘に突入である。次年度賃金改定・賞与水準の組合要求は,例年以上の強気。安倍政権が財界に対して給与アップを要求している言い草が,労働組合からもそのまま出されている感じであった。

アベノミクスで株価は絶好調。輪転機ブン廻しで国債が危ないんではないかとも思われたが,格付けを下げたとはいっても,いくら刷ってもちっとも金利が上がらず,わが国の国債は安定,安定。大半が日本国内で償還できる(日本国政府が日本国民に借りている)借金だかららしい。一方で,円安・消費増税による家計負担の増大で,まだまだ景況感はない。組合は気合いを入れている。

円安が進んで二年。輸出関連業界の好調による雇用改善で,じわじわと効果が出始めている。円安の影響で Panasonic の中国の家電工場も,この四月に日本に帰って来る。天下の松下電器である(かつての,ですが)。これは象徴的である。そうなると部品調達についても当然,日本国内で賄うことになり,中小企業も仕事が増える。従って,雇用も増える。雇用が改善されることは,収入が増えることと並んで,思うに,好況のいちばん重要な指標である。GDP 成長に決定的ブレーキを掛けているのは,財務省によるペテン政策(言うまでもなく増税)としか言いようがない。増税による購買意欲の低下と原油安のおかげで,目標インフレ率がなかなか達成できないので,たぶんまた近いうちに黒田バズーカ3が炸裂するんじゃないだろうか。ウチの会社はそれでいいんだけどな。少なくとも,ウチの会社はかつての利益率と比べ信じられないくらいの収益を上げている。

この春の賃上げで購買意欲がアップして,本当に好景気感が立ち上がるといいですね。かくして,わが国の 2015 年は決して暗くない。米国経済も好調である。

となると,景気の冷や水となる要因としてなにより心配なのが,中国,欧州,ロシアの経済状況ではなかろうか。中国経済成長の減速ははっきりと可視化されているし,円安・中国人件費の高騰・カントリーリスクから日本の投資は中国から東南アジアに急速に転換している(夕刊フジのホラ記事のように「中国経済崩壊」はないだろうが)。欧州では,ギリシャがとうとう緊縮財政に悲鳴を上げて,借金している身であることを盾に,ヤクザまがいなことを EU に言い出す(いまごろナチス・ドイツによる戦時被害の補償をしろなどと言い出すなんて,まるでチンピラである。アリストテレスの国がやることか,と,ま,遠い極東から失礼なことを考えてしまう)状況で,またまたユーロ危機の臭いがし始めている。こうなりゃ,そのうち,ギリシャは EU から離脱させられて,いったん破産するはめになりそうである。あの美しいサントリンアイランドが金満中国人に買い叩かれ漁られるようなことがないよう祈る。ロシアもルーブリが暴落した(あんまり困った顔を見せないところ,さすがエネルギー大国・ロシアである)。ウクライナ問題を早く解決しなくては。

もうひとつ,プチ心配なのが「お隣の国」韓国ではなかろうか。告げ口大好き女子中学生みたいなパク大統領の振舞いをみているだけで,ギリシャ,ウクライナと並んで,目下世界でいちばん哀れな国である。ウォン高で輸出産業が大打撃を受けているのに,通貨危機が怖くていまや全世界がやっている金融緩和に踏み切れず,よってウォン高が止まらず,経済はデフレ化へと向かっている。彼らが嘲りをもって口にする「日本病」へとまっしぐらの感がある(俺の予想通り,人口オーナスが発現しはじめたんだよ,これは)。なんでもかんでも日本のマネをして来た韓国も,構造不況についてもマネをするはめになる。

「いわゆる従軍慰安婦問題」(朝日新聞が日本軍による強制連行報道はウソだったと認めたのに,いまだに韓国がこの問題に固執して,日韓首脳会談すら行えない)と竹島領土問題(そういえば,今日は「竹島の日」じゃないか)で日本政府と日本国民の怒りを買い,日韓スワップ協定の継続すらも日本に断られる始末。日韓正常化五十周年の今年の日韓関係は,韓国にとって(日本にとってではなく。韓国無視を決め込んでいるようなので),おそらく過去最悪になる。あのパクさんに比べ,アベさんがむちゃくちゃ大人に見える(俺はアベさんが心情的に嫌いなんだが)うちは,この事態は改善されない。ま,どうでもいいや。

日本はかつて朝鮮戦争に乗じて大儲けした。これと同様に,またぞろ沈み行く朝鮮半島を傍観することで漁夫の利を貪ろう,なんて日本政府が考えているとしたら — 俺はそういう腹黒さは嫌いではない。

中国,ロシア,欧州,(そして,一応,韓国)は,どいつもこいつも左前。でも,米国とわが国が世界経済を引っ張って行く!…… なんて,無理か。ま,目の前の仕事を一所懸命にしませう。俺も,子分も,給料が上がりゃそれでよい。そして,日本の子供たちが楽しそうに元気に暮らせるのなら,それで十分である。