ナッツリターン事件 — 韓国人の職業倫理の問題

今朝,出社の前に時刻確認用にニュース番組を見ていたら,韓国で大騒ぎのナッツリターン事件を報じていた。大韓航空副社長が客室乗務員のナッツの出し方がなっとらんと激怒し,なんと,離陸前の飛行機を引き返させて客室責任者を降りさせた問題だ。韓国では財閥令嬢の横暴な振舞いが招いたスキャンダルとして怒りを買っている。この令嬢は航空保安法の禁止事項に触れたとして逮捕されるだろうとのことだった。テレビでは,黒山の人だかりを前にこの財閥令嬢が深々と頭を下げてお詫びしている様が映し出されていた。お,この人はなかなか個性的な美人である,韓国美人は皆同じ顔に見えるもんだが(どうでもええやろ,そんなこと)。

パワハラ的威丈高を発揮して己のワガママで航空機の運行を阻害したこの財閥令嬢は,韓国国民にとって許せない国の恥のようなつるし上げを食らっている。たしかに,財閥による利益独占と格差拡大が問題となっている韓国社会では,これは庶民的やっかみの発露なんだろうから致し方ない。でも,職業人としてこの事件を眺めると,警察に取っ捕まるべきは,このワガママでバカなセレブ客・ナッツ姫なんかではなくて,会社重役の言うことに見境なく従って飛行機をリターンさせてしまった機長こそではないかと考えてしまう。職業意識の高いプロの航空機長が道理のない理由で公共的交通機関の運行を止めるだろうか。この大韓航空機の運行責任者は機長であって,副社長ではないはずだ。この職業倫理のなさにこそ韓国の最大の問題があるように,そしてそのことがなんの議論を起こさないことこそ韓国の病理があるように,俺には思われる。セウォル号船長の客をほったらかして我れ先に避難した行動だって,まさに同じではなかったか。どうだろうか。

最近,韓国はどうなっているんだろうか。セウォル号事故対応問題やら,産經新聞ソウル支局長の起訴問題やら,韓国青瓦台の人事をめぐる文書流出疑惑騒動やら,このナッツリターン問題やら,法や良心,職業意識ではなく,権力者のメンツや感情でものごとが恣意的に動かされている印象が強い。韓国にもたくさんいるであろう心ある良識家は,二年目にして空回りしまくっている朴槿恵政権の残る三年を半ば絶望的にみているんじゃなかろうか。経済の先行きは暗いし,少子高齢化・高齢者福祉問題対策もほとんどまったく手がついていない。暗澹の一言なんである。

歴史,歴史,というが,今とこれからはどうなんでしょうか。「健康のためなら死んでもよい」みたいなジョークがあるけれども,「反日のためなら死んでもよい」を,冗談でなく,繰り広げて飽きない。その一方で,「歴史」的には日本の何十倍も苦しめられて来た中国にべったりで,いまや再び属国に近い状態にある。ホント,面白い人たちである。ま,日本人である俺にはどうでもいいことなんだけど。