痺れるゲーム

2014 セ・リーグ・クライマックスシリーズ・ファースト・ステージ,阪神 VS 広島。阪神が一勝一分ではじめてファイナル・ステージ進出を決めた。昨日,今日とテレビに齧り付いて観ていた。

ここぞという天王山勝負では実力発揮できず,いつも,必ず,敗退するのが阪神タイガースというチーム。なのに,今回は投手が踏ん張って,二試合を無失点で抑え込んだ。二試合続けてこんな痺れるゲームが観られるとはつゆにも思わなかった。延長十二回すべて 0 が並ぶスコアボードはなんと美しい絵であることか。

両チームとも守備に対する緊張感がピリピリして,これぞクライマックスシリーズという醍醐味があった。一回裏の広島のショート・梵,セカンド・菊池の美技,二回表の阪神のセンター・大和の三塁刺殺の送球,サード・西岡のフェイク(送球が来ないふりをしてランナーにスキを与えようとするフェイク)には,惚れ惚れとさせられた。昨日のメッセンジャー,今日の能見,二試合ともに投げた呉昇桓は,めちゃかっこよかった。今日の七回表ワンアウト満塁を凌いだ能見投手の胆力に感動した。レギュラーシーズンなら慎重になるあまりあそこで四球を与えて,自滅してしまう,というのが,能見の悪いイメージとして私のうちにあったのだが,さすがであった。二試合で唯一の打点となるバックスクリーンへのホームランを放った福留も — シーズン中私はさんざん老害呼ばわりしていたんだけど —,ここぞというときに値千金の活躍をしてくれた(ホント,いままでむちゃくちゃゆうてすんまへん)。

ネットでは「点が入らないつまらない試合」みたいなことをホザくXXが結構いるんだが,これこそ真のプロフェショナルなゲームであり,今シーズンの阪神の試合のなかで,一球一球に意志のこもった最高の二試合だったと思う。ま,次のファイナルでジャイアンツとどこまでできるかは疑問ではあるけれども,こんな凄い試合を見せてくれたからには阪神の日本シリーズ進出を期待しましょう。

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