神無月下旬の俺的如是我聞

今夜,かつての部下の昇進祝いなどなどで赤坂で呑んでふらふら。有明の月はまだ出でず。ぶつぶつと。

* * *

9 月 27 日に発生した御嶽山噴火災害に関し,10 月 16 日,大規模捜索が打ち切られた。生き残った人の証言によれば,この災害は大量の噴石がものすごいスピードで降り注いで人を死傷させた。旧約・創世記に出て来るソドムとゴモラの壊滅の物語を思わせる,恐ろしい災害だった。

死者 56 名,行方不明者 7 名 — 歴史に残る噴火災害規模である。被災された方々にお悔やみを述べるばかりである。いつまた噴火するかも知れない状況下で活動していた自衛隊,警察,消防からなる捜索隊の姿には,心を打たれるものがあった。

今年は台風,土砂崩れ,この火山噴火と自然災害の多い年である。

* * *

阪神タイガース,九年ぶり日本シリーズ進出。なんと巨人相手に無傷の四連勝。こんなこともあるんですね。投手が粘り強く試合を作って,クリーンアップの打力で決める。決定的仕事をしたヒーローが試合毎に違う。こんな強い阪神をいままでみたことなかったかも。くわばらくわばら。

* * *

国産 MRJ お目見え。三菱重工系列会社が開発した小型ジェット旅客機 MRJ(三菱リージョナルジェット)の機体が公開され,YS-11(俺的には,幼いころ乗ったことのある懐かしいプロペラ旅客機)以来の日本国産航空機として話題になっている。日本は,第二次大戦中,他国を凌ぐ戦闘機を開発できる航空技術力をもっていたのだが,戦後,米国の戦略的いじめ(GHQ による航空禁止令)により航空機開発が阻害され,講和条約以降開発が復活するも運輸省と通産省の綱引きで企業が翻弄され,いま現在の体たらくのわけである。

MRJ がいかほど優秀で,どれほど多くの受注が見込まれるにせよ,そのうち — エンジンまでも日本製が搭載されるまでに技術の成熟をみるころには — またぞろ米国のイヤがらせ(たとえば,特許紛争のような法的いちゃもん)にあって競争力を失うような気がしてならない。そういう憂国的悲観に囚われるのは俺だけか。

* * *

小渕大臣,松島大臣,鳴り物入りの女性閣僚同時辞任。いままでさんざん円高デメリットを強調していたのに,円安が国内の,とくに中小企業に対してボディブローとなって,景気も怪しくなりつつある状況下,株価連動安倍内閣も左前になったか。俺もそろそろ確定拠出年金の投資配分を変えなければならないかも。

俺的には,女性大臣そのものにはまったく期待していなかった。俺にはたんに国政における女性進出アピールの人柱のようにしか見えなかった。だって,小池百合子やら,田中真紀子やら,川口順子やら,千葉景子やら,女性閣僚というやつらは,どいつもこいつもろくでなしだったではないか。よってどうでもよい話。さっさと去りやがれ。あと残る三人の女性大臣(俺的には,女装大臣)も,勇ましい右翼的舌禍を叩かれてやめてくれると面白い。

第一次安倍短命内閣への回帰現象か。でも,こんなつまらないこと(ウチワを配ったくらいでなんだというのか。立ちションくらいの罪じゃないか。ん? 松島みどりに立ちションはできないって?)で政権運営に支障が出,法案審議が滞るなんて,ホント,バカバカしい。かつての辞任ドミノはやめてもらいたい。またぞろ,偽善的潔癖症に冒された日本のマスコミが,政治家の立ちション的些事を漁って面白がる。政権がそれに屈する。哀れなり。

* * *

「朴槿恵大統領がセウォル号遭難事故発生の大事なときに数時間所在不明だった,愛人と密会していたとの噂もある」,との産經新聞の半ゴシップネット記事(8.3 付)に過剰反応した韓国の検察が,10 月 8 日,同様の報道を行った自国メディアは放置しながら,日本の産經新聞のソウル支局長を起訴・拘留した。この過剰反応は,ホント,反日「バカ」としか言いようがない。こういう記事をゴシップとして涼しい顔で無視できないところがバカなんである。自分で火に油を注いでいる。ま,政治家の立ちションにしか関心のない日本のマスコミのほうがよっぽどバカなのかも知れないが。

これにより韓国政府は「言論弾圧国家」との悪評を立てられている。ここへ来て米国政府が韓国政府批判をはじめたので,バカな韓国のマスコミは,これまでこの問題でも日本バッシング一辺倒で産經新聞を締めてやれの大合唱だったのに,いまや韓国政府の行き過ぎを非難する韓国メディアさえ現れている。なにをいまさらなんだけど。この恣意的権力発動だけを見ても,韓国政府は北朝鮮なみの法治国家レベルであることをまざまざと示してしまった。韓国では,最近,個人レベルでも反政府的言動に対する不当な弾圧が懸念されており,自国の SNS サイトから海外サイトに逃げ出す韓国人も多いという。

一方で,韓国 GDP の何割かを叩き出しているサムソン電子が,ウォン高と中国製品の台頭で,ちょっと尋常でないくらいの業績不振に陥っている。よって,韓国は経済も落ち目になり,1997 年アジア通貨危機再来の危険性に怯えている。でも,ウォン高云々を措いて大局的にみても,これは予想通りの事態である。というのも 2014 年は人口オーナス=老齢化弊害の顕現が韓国を襲う年として前々から危機感を抱く識者がいたから。韓国は,わが国以上に出生率が低い上に,安全対策にも国民福祉にも感度の著しく低い国家であって,人口オーナスは日本よりも悲惨な現れを示すだろう。

哀れなり。ま,俺的には,「いい気味」なんである。李明博が天皇を侮辱して以来,韓国政府は日本の敵になったのであるから。産經新聞ソウル支局長起訴問題についても,日本政府は対韓国プロパガンダの情報戦に使うんだろうな。韓国政府のバカさ加減に左右されない,良識ある韓国の友人には,うまく立ち回って難を避けてほしいものである。

* * *

エボラ出血熱パンデミック。いま俺的には,これがいちばん怖い。スペインで,日本の富山化学工業が開発した抗インフルエンザ薬・アヴィガンをエボラ出血熱患者に投与したところ快方に向った,との記事をみた。独・仏政府が日本政府にアヴィガンの組織的提供を要請しているとのこと。日本はワクチンの短期間・大量生産などのノウハウがきわめて高い国として知られており,この全世界を震撼させているエボラ出血熱パンデミックにおいても一定の役割を果たせるとなると,素晴らしい。