ベトナムで行われた 2014 女子アジアカップで,なでしこジャパンが見事優勝を果たした。チームとしてフェアプレー賞をも獲得した。ただ勝つだけでなく,フェアであること。これこそが日本がアジアでもっとも美しいサッカーをしていることの証である。
今大会は国際Aマッチデーを外した日程だったおかげで,なでしこはとてもベストメンバーであったとは言えず,決勝トーナメントでは大儀見選手が抜け,はっきりいって飛車抜きだった。なのに勝てる!という貫禄を見せつけてくれた。大儀見も,大野も,岩渕も,近賀も,熊谷もいない,なんて,正直なところ優勝は無理だと私は思っていたんだけど。さすがですね。
今大会は若い選手が躍動したとの見方を,スポーツニュースで数多くみた。でも,決勝トーナメントという真に厳しい試合の,真に厳しい局面のなかで,ブレークスルーをもたらしたのは,澤であり,宮間であり,川澄であり,岩清水であり,宇津木であり,つまるところ,やはりベテランであったのは,これからのなでしこを占うにおいてはちょっと物足りない思いがあった。
それにしても,中国戦での澤選手のバックヘッドのゴールは神業に近かった。中国戦・延長後半終盤での川澄選手の疲れを知らぬスプリントには恐怖すら感じた。見応えがあった。おめでとう,そして,ありがとう,なんである。
岩手県で起きた AKB48 握手会会場での傷害事件で,マスメディアは今日一日大騒ぎだった。おかげでなでしこの快挙の報道はそれにかき消されてしまったように見えた。面白からず。AKB48 といい,なでしこといい,規律正しい女子がいまの日本の元気印であると思うにつけ,少子化による労働力不足がこれからの日本経済のボトルネックとなるだろうと思うにつけ,女子力が日本の未来を明るくしてくれると思わずにはおれない。