城南海『加那 — イトシキヒトヨ』

城南海『加那 — イトシキヒトヨ』(2009 年)は彼女のファーストアルバム。声の幅(太さ or 細さ+音域)が極めて広く正確な,本格的シンガーである。奄美大島という土地柄なのか,元ちとせの系列をはっきりと想起させるコブシが特徴である。ラブソング『白い月』が切なくて,いちばん好きである。「幾重にも重なっては にじむ白い月/帰らない 帰れない場所がある」— このくだりにはほろりと来る。

私は城南海という存在を母から聞いた。「レコード出した,言うからこうたってんか」— いや,凄いシンガーである。私の個人的理由だけでも無条件に応援したくなるアーティストである。