プーチン首相会見・朝日記事

昨日 3 月 2 日付け朝日新聞夕刊一面に,『北方領土 最終決着に意欲』との見出しで,次期大統領当選が確実視されているプーチン首相と日本の主要紙主筆クラスとの会見について掲載されていた。

メドヴェージェフ,菅と,そろって智慧も戦略もない(パフォーマンス好きの)トップ二人のおかげで,このところ日露関係が冷え込んでいた。大統領選挙を目前に控え,プーチンが前向きな仕切り直しの提案を日本に向けて明快に発したということだろう。「領土問題を最終決着させたいと強く望む」— この踏み込んだ発言は,相当程度で日本に譲歩する先行きをすでにロシア政府のなかではシミュレーションしていることを窺わせる。もちろん疑いなく経済的見返りの腹づもりをもっている。

プーチンはこの問題に関して述べている —「我々はゴルバチョフ大統領が遂行を拒否した 56 年宣言に戻る用意をしたが,日本側が『四島』を言い出して全てが最初の地点に戻った」。これは,小池百合子,千葉景子と並んでお飾り大臣の代表だった川口順子,外務大臣だけに日本の国際関係においてお飾りゆえに最悪の事態をもたらしたあの川口順子が,東大出たクセに「何も考えていない」唯我独尊,空理空論の原理原則発言(「あくまで四島一括返還を要求する!」)によって,プーチン・森首相会談までに外務省が血の滲む思いで築いてきた日露の信頼関係をあっさりとブチ壊したこと — プーチンはそのことを言っているのである。川口順子(拉致被害者一時帰国を「約束」してヒョーヒョーと涼しい顔してこれを破って北朝鮮拉致問題をこじらせたのも,ほかならぬこのお方である。外交って相手がいるということがわからないらしい。100 点満点を常にめざす指導者がどんなに有害かの証明)とその親分だった小泉首相と比べると,いまの玄葉光一郎外相,野田佳彦首相はもう少し考え深そうである。

目下,日本はエネルギー問題,中国・北朝鮮を巡る安全保障問題,経済不振で死に体に近い。特に最初の二つはロシアという隣国との友好関係を進展させることで,ペルシア湾(要するにイラン)に依存しない天然ガス・石油の供給経路が確保できるだけでなく,安全保障においても地政学的に中国・北朝鮮を牽制することが出来る。これ,歯舞,色丹の二島は本当に返還されるかも知れない。北方領土が戻って来ると困る人たち(右翼,外務省北方領土問題関連外郭団体)がバカな抵抗(そうそう,中国・韓国と同じように歴史問題 — 日ソ不可侵条約破りの対日参戦 — を蒸し返すわけである。こんな露助を信じられるか?ってなもんや)を示すはずだが,玄葉外相,野田首相には頑張ってもらいたいところである。
 

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昨日の夜,ポルトガル・アルガルベ杯,なでしこジャパン VS デンマークの試合を観た。先日のノルウェー戦に比べると,サブ選手主体のチームだったとはいえ,前線での相手へのプレッシャーなど動きが格段によくなっていた。私の贔屓にしている宮間,岩清水両選手が試合を引き締めていた。菅沢選手のキビキビしたスライディングシュートと,相手キーパーのミスを逃さなかった大野選手の技ありシュートで,2-0 の貫禄の勝利。さすがです。

でも,攻撃のスイッチが入ったときの迫力のなさ,ボールの落ち着きのなさ(肝心な局面でのトラップミスの多さ)は相変わらず。ガイジン選手のもっともいやなはずのサイド攻撃があまりにもお粗末だった。精度を欠いた温い相手だからよかったものの,やっぱり米国には敵いそうにない。最近の日本代表は,男子も女子もココぞという試合でいいパフォーマンスを見せてくれるので,いまは暢気に見守りましょう。