なでしこ準優勝

7 日のサッカー女子・アルガルベ杯決勝で,我らの誇り・なでしこジャパンは残念ながらドイツに敗れ,準優勝となった。でも,これは五輪の前哨戦としては充分な成績である。昨年は 3 位だったのだ。よくやった。さすがなでしこ。何より米国にはじめて勝利するという見せ所もあったし,若い選手のよいプレーも見られた。五輪登録選手の選考についてもすでに監督のハラのなかではできていると思う。それくらい選手の質・ポテンシャルがはっきり出ていた。ベテラン安藤選手。ポストプレーは決して悪くないが,代表 FW としてここ一年以上ゴールがないなんてちょっとヤバくねえか。4 月の親善試合でもノーゴールだと,切られるんじゃないかと心配である。生き残りを賭けて是非頑張ってほしい。

でも一方で,ロングボールの競り合いに滅法弱い守備,ゴールに近づくにつれ精度が見る見る落ちる攻撃,という二つの課題も相変わらずであった。あと,二列目はタレントが多いのに,サイドバックの交代要員がいないのが不安要素ではなかろうか。これらの点で,個人的には 3 バックのほうが機能すると思うんだけど。キーパー海堀選手も試合に出続けないと判断がすぐ鈍るタイプに見えた。ドイツ戦は撃ち合いの素人目には面白い試合になったが,相手がどんな国であれ 4 失点(おまけに,個人にハットトリックを許し,試合のなかで学習できない無様を露呈した)は,それだけですでに不合格である。澤選手を欠いた布陣でここまで出来たこと — これがいちばんの収穫である。五輪が楽しみ。

と,ま,女子日本代表が男子のだらしなさを補って余りある姿を,今回も見せつけてくれた次第である。男子は,今日,W 杯アジア最終予選の組合せが決った。北朝鮮,ウズベキスタンと格下(のはず)の相手に何も出来ずに敗退し,FIFA のランキングを大きく下げた。このおかげで,シードポットから脱落し,厳しいグループに入ることが余儀なくされる,と誰もが思っていたはずである。

ところが,ふたを開けてみると,オーストラリア,イラク,ヨルダン,オマーンと同じ B 組。上位 2 チームに出場権が与えられることを考えると,韓国に比べ楽なグループに入ることができた。韓国はイラン,ウズベキスタン,カタール,レバノンと対戦しなければならず,レバノンを除けば強敵ぞろいである(そのレバノンにさえ韓国は一度敗れている。アウェイの韓国は日本以上にレベルを落としてしまうようである)。

もちろん B 組とて,最終予選に生き残った強豪国と対戦するわけであって,日本の道のりは決してラクではない。センターバックのヘボさも相変わらずである。海外で活躍する選手が増えたおかげでチーム作りの日程調整が極めて難しい。それでも,サムライブルー,運はあるようである。なでしこがロンドンで輝きを放つその裡で,男子にも予選突破を期待したい。U-23 男子代表もなんだかんだ危機感を煽りながらも,ほぼ五輪出場権を確実にした。U-20 女子は,冗談抜きで W 杯優勝が狙える位置にいる。ホント,ワクワクする。がんばれー。今年もテレビに齧り付いて応援するぞー。