Wikileaks

Wikileaks は,インターネットで機密文書を公開することで世界を震撼させた。その代表ジュリアン・アサンジュが「強姦容疑」で逮捕された。欧米ではこの話題で持ち切りであるらしい。

アサンジュ氏は欧米のマスコミと協議したうえで,マスコミと同時に機密文書を公開したそうである。そして機密保持に関る罪ではなく「強姦容疑」で逮捕。権力者たちが権力に歯向かう個人を,人間性を疑われるような罪を被せることにより,陥れる典型的な例である。尖閣諸島漁船衝突ビデオを晒した sengoku38 もこれと同じ道を辿るものと(つまり sengoku38 は公務員法違反ではなく痴漢容疑か仮想敵への機密漏洩で世の晒しものになると)私は思っていたが,優しい政府に外されてしまった。

暴露者が匿名でこそこそネットカフェから機密情報(というより公開されると政府が困る情報)を晒しても無罪放免となり,マスコミ・世間が市川海老蔵のケンカなんぞに大騒ぎしている日本と,暴露者が堂々と機密暴露を敢行しそのために明らかな濡れ衣を着せられて束縛され,マスコミ・世間が国家機密に関る罪と罰に侃々諤々の欧米。この違いはいったいなんなのか。日本人は政治ゴシップ・芸能ネタさえあれば幸せに暮らせる平和な国民なんだということだろう。
 

P.S.

小沢一郎の国会でのつるし上げに急ぐ与野党・世論も,まさに海老蔵ネタと同じレベルである。自分がなにも悪をなしていない人が「お前は ... の容疑が掛けられている。身の潔白を証明しろ。説明責任を果たせ」と言われたって,身に覚えのないことでどうして「説明」しなくちゃならないのか? いわんや検察は何の証拠も見つけられなかったのだ。そもそも何の容疑だったっけ? なのに国会・マスコミはこんなことで大騒ぎしているんである。こういうのを「イジメ」だと認識できない人が世の大半のようである。小沢一郎に着いた谷亮子は,いまパンピー女性からもっとも嫌われる女性になったらしい。イジメられる側に着くヤツもまたイジメを受けるわけである。ホントくだらない。イジメ根性の染み付いたただの「政治ゴシップ・芸能ネタ」好きとしか言いようがない。

ちなみに,ジュリアン・アサンジュは何故に「強姦容疑」なのかというと,— どこの情報だったから失念してしまったのが残念なのだが — 妻ではない女性とコンドームを着けないで情交したかららしい。確かに,避妊処置をしないのは責任ある男としてはぞっとしないわけだが,これだけで「強姦罪」が成立するというのも,可哀想って感じである。性倫理はたいへんデリケートな問題なので日本人の感覚でひとくくりにはできないのだけれど。