ボーナスが出た。去年下期は会社の業績がひどくて上期の賞与は過去最低のありさまであったが,今年持ち直したおかげで少しばかり上昇した。あぁ,家のローンが払える。地デジ・テレビもやっと買える。
でも世の中には,ボーナスそのものがまったく支給されない,あるいは現物で代替されてしまう企業もある。私の会社にはたくさんの関連会社の社員が働いていて,そのなかには,そのような企業から派遣されて来ている者もいる。同じ職場に居ながら,ボーナスの話題が飛び交うなか,我が身の不甲斐なさが思い知らされて世に悪意を抱く者だって出て来るというものである。この時期,ビルの非常階段の壁にたくさんの大穴が刻まれるという事態になる。そんなことしたって見つかればクビになるだけで世の中がちぃともよくならないのだが。総務の担当者は戦々恐々としている。このご時世,あまりに他人に無関心になってしまったせか,私も他人のことはどーでもよくなった。それが世の中だというわけである。
そんなことより,新卒者の就職率がひどい。ボーナスどころか,食って行かれない若者が街に溢れている。これこそ可哀相というものである。社会人一年生にひもじい思いをさせるのはホント可哀相である。ボーナスが出ないのに頭に来て,会社の器物破損行為に及んだり,2ちゃんねるに嫌がらせや,政府・韓国人・中国人の悪口を書き込んだりするヤツを見ても,勝手に自滅しなさい,としか思いませんが。完全失業率 5% が当たり前になって来ていて,日本が米国並になるのも時間の問題である。貧困が蔓延して,犯罪率でも米国並になるということだ。こうして国が壊れて行くということか。ヨーロッパは,失業率が米国よりもっと酷いらしいけど,国家間の助け合いの精神がある。日本は政府の外交無策のおかげで(あるいは,札束外交でしかなかったおかげで)アジアで孤立する一方で,隣国はどこも助けてくれそうもない。
私の子供たちも間違いなくこの「生存競争」に巻き込まれるだろうと思うと,ホント嫌になる。「他人のことなんて知るもんか」というのも,じつは我が身に跳ね返って来る問題だと思い知る。齧るスネがあるうちはいいけれど,早々に親子ともどもホネだけになってしまう。これで親がぶっ倒れでもしたらどうすればよいのか。こんな不安な状況じゃ子供が生まれないのも当然のように思えて来る。でも,昔の人は貧乏でもたくさん子供を生んで様々なことに耐えて暮らしていたわけである。なんとかなるさと目の前の仕事に勤しむのがあるべき姿なのかも知れない。