10 月 1 日からたばこが値上がり。会社でも「たばこ今度こそやめる!」と気合いをいれている人が多い。「やめる,っておっしゃる方が滑り込みの買いだめなんてなさるんでしょうか?」とからかってやった。私はというと,お小遣いが底をつき,買いだめなんてできませんでした。値上がりした分本数を減らす — これが私のいまの方針。レベルが低い。
今回のたばこ増税は,これまでの財務省の切り札というよりも,厚労省の健康増進の思惑のほうが重要視されているようである。たばこの害が要因で健康保険料が押し上げられているのを喫煙者の減少で抑制する,これこそ税金の無駄遣い削減の手段だ,というわけである。考え方は納得できるけれども,こういうのはきちんと結果も評価して国民に知らしめてほしいと思う。これまで,たばこ増税は何度も行われているのに,税収はずっと約 2 兆円で横ばいだという。要するに値上げのたびにたばこそのものの売り上げが減っているわけで,国税庁も今回の税収効果もあまり上がらないとみているのではないか。税収額とともに,たばこ害要因による健康保険料の推移もぜひ検証していただきたいと思う。たばこ税収額が変わらないのに,健康保険の支出も変わらないとなると,たばこ害悪で健康保険料が増大するという見立てもウソだとはっきりする。私が言いたいのは,ウソで税金の取りどころを決めるのは止めてくれということ。
受動喫煙が要因で死ぬ人が日本では年 6,800 人との毎日新聞電子記事を読んだ。いい加減な「推定値」でも厚生労働省研究班が出したともなると,数字が一人歩きしてもおかしくない。私はこれはうまく吐かれたウソに違いないと思っているのだが,その真実性はじつはどうでもよくて,世の中がそういう流れであることが重要なのである。地球温暖化と同じである。その流れに逆らってはいけない。たばこはやめたほうがよい。
徳之島にいた祖父は十代でたばこを嗜むようになり,「わかば」を毎日一箱必ず吸い,夜は毎日奄美焼酎を呑んで,気分がよくなったら三線(さんしん)を弾いて島唄をうたって,95 で大往生した。私の親父は,中学卒業以後,騒音と粉塵に塗れた町工場で 50 年を勤め上げ,おかげで耳が難聴になり肺に工業粉塵が溜まりまくっている。零細町工場ゆえに労災なんて知るもんかである。毎日必ず,『ハイライト』を一箱吸い,ウィスキーをダブルで二杯くらい呑んでいたが,75 になるいまもボケもせず寝たきりにもならず人並みに元気に暮らしている(最近心筋梗塞で死にかけたけど)。たばこ一本で寿命が 5 分縮まるらしい。エリートたちが一生懸命計算したそんな「推定値」より,私は目の前の人間の命のあり方のほうを信じる。どんなに健康に気を使っていても,あっけなく死ぬ人がいる。でもたばこはやめたほうがよい。愛煙家の私が言うことではありませんが。
昨日,「ザック・ジャパン」初陣=アルゼンチン戦で,信じられないことに,日本が勝利した。おまけに無失点。私は会社の飲み会で見逃したのだが。ワールドカップでの意外な活躍ののち,最近のサッカー日本代表は元気である。新しい監督になってまだ日も浅いので,この勝利は監督の徳というのではなさそうである。いつまでこの元気が続くのだろうか。
やはり昨日,讀賣巨人軍が最終戦で信じられない負け方をし,今年のペナントレース 3 位が確定した。先日,阪神タイガースが,ここぞというときのいつもの弱さを発揮して,下位チームに敗れ自力優勝,自力 2 位確保を逃していたところだった。讀賣はそのさらに上を行くだらしなさを最後の最後で出してしまったわけである。阪神の体たらくは予想していたが,讀賣のこの逆転負けを耳にして私は阪神ファンとしてもちょっと意外でショックを受けた。
飲み会から帰って来て,スポーツニュースを見,Yahoo! ニュースをチェックした。Yahoo! ニュース,讀賣ジャイアンツのトピックに掲載された 3 位確定を報ずる記事を見ると,予想通り,阪神ファンと思しきコメンターたちによる「ざまぁみやがれ」風の下品極まりない書き込みが多かった。自分の贔屓チームの体たらくを棚に上げてこういう怪気炎を上げられるおめでたさ — じつは私自身阪神ファンをやめられないのは,こういうガサツな阪神ファンと弱い阪神こそが堪らなく好きだからである。
阪神球団は,大事な大一番を常に落として来た監督・コーチ陣の去就について,来年の留任を早々と決めた。私なんかは笑ってしまうのだけれども,これは球団経営者による「温存」ではない。期待を持たせて結局ダメだったというのは「人気球団」の経営者にとってもっとも望ましい結果であって,「真弓君,ありがとう」という本当の感謝が現れた決定なのだと私は思う。だって,優勝なんかしちゃったら選手もコーチ陣も,活躍した者,しなかった者等しく,その給料を上げてやらなければならない。ただでさえ,年寄りの多いチームゆえ給料が高騰しているのだ。今年のようにいいところまで行ったけどダメだったなら,マートンのような大記録を達成した選手を除いて,給料を上げなくてすむ。一方で,強力打線を売り物に優勝への期待が高かった分,観客数,テレビ放映権料が上がってウハウハだったわけだ。この巧みな球団運営は,昔からの阪神球団の体質だと私は思っている。中日なんて見てみろよ。優勝しても,まったく面白みのない球団じゃあないか? 中日の話題といえば,いまだに落合監督の「オレ流」何々しかないじゃあないか? 武士は喰わねど高楊枝ってか?
ノーベル平和賞にはじめて中国人が選ばれた。受賞者・劉暁波氏は,天安門事件以降,中国政府による自由の圧殺を糾弾し続けて来た気骨のある人で,現在も収監されているそうである。この反体制派の「平和賞」受賞に対し,中国政府は猛反発。よしよし,こうして中国政府が世界から弄られればよいと思う。
今回の中国政府の異常な反応(ノーベル賞委員会とノルウェー政府を同一視するような脅迫じみた声明を出すのは,この受賞問題で中国政府がよほど冷静さを欠いている証拠である)が,人権問題を焚き付けられることを中国政府がいかに恐れているかをよく示している。中国はこのような人権問題や民族問題(チベットなど)で国際的批判が高まり,国内に飛び火するのをもっとも恐れているに違いないのだ。
こういう形で世界世論をして隠然と中国政府を袋だたきさせる政治的手法を,日本政府ももう少し身に付けた方がよい。欧米/ロシア/中国のように日本政府も「卑怯で汚い手」をもっともっと使えというのである。目的のためには手段を選ばない下品な政府になってほしい。今回の漁船問題の報復として中国がレアアース禁輸をしたり,一般企業人 4 名を拘束したり,という汚い行動に出たことを,日本はもっと「世界に向かって」発信すべきだろうと思う(国内向けに自己満足反中バカを煽るだけではなく)。「中国で商売をすると国の勝手な思惑で企業が振り回される」という印象を,欧米のマスコミを使って増幅するのである。
なにしろ,日本のマスコミは国際的影響力が文字通り「ゼロ」なのであるから。「中国人は民度が低い」とかなんとかのバカな内容を暗示するばかりの自己満足的反中プロパガンダを,国内向けにしか発揮できないんだから。家族が崩壊しつつある日本の「民度」こそ嗤うべきことが自覚できないらしい。そして,中国政府を中国人そのものと同一視し,中国批判を中国人差別に転嫁するだけのバカ Yahoo! コメンター,バカ2ちゃんねらーなどの自己満足的・ガラパゴス的・日本的匿名ひきこもり連中(「売国奴」,「民度が低い」というコトバが大好きな連中)を増殖させている。日本のメディア,インターネット世論はまさにガラパゴス化ダメ日本の典型なんである。中国の動物園も首を傾げるような光景が観られて楽しいけれども,日本の動物園のマスコミ檻,ネット右翼檻はもっと観ていて笑えるのである。
朝,会社に向かう途上,通勤電車を待っていると,金木犀のいい匂いが漂って来る季節になった。なにはともあれ,これこそがいちばんである。長き夜に一句でけたと川柳詠み。失礼しました。