仰天過去

昨日,神代辰巳のロマンポルノについて書き,彼の映画で「体を張った」女優たちに触れた。私は「体を張った」女たちがまた別の分野で活躍する姿を見ると感激してしまうほうである。ひとの人生の奥床しさを感じてしまう。

先の衆議院選挙で当選した,ある民主党新人女性議員の「仰天過去が次々と明るみに出」(サンスポ.com 記事)て話題になっている。「仰天過去」の事実がいかなるものであれ(オマケにそれは彼女の立派な職業,「仕事」だったのだ),これから国民を代表して政治に携わるにあたり,それがなんの関わりがあるというのか。選挙において何を約束し当選後に何をやってくれるかが政治家の勝負どころだろう。

なのに,過去の経歴の「説明責任」がどうのこうの騒ぎ出す清潔漢,スキャンダル好き,人の弱みにタカりたがるヤツがいて面白い。こういうのを「品性下劣」というのだ。「きちんと身体検査を!」だって。こいつらの薄っぺらい正義感なんてクソくらえである。日活ロマンポルノ,アダルトビデオの「イヤらしさ」もこういう偽善,醜悪を前にすると可愛いもので,低俗さという意味では彼らの品性にはとんと敵わない(なのに堂々と,恥ずかし気もなく,自信満々にやってくれるものだから質が悪い。これら品性下劣サイトへのリンクを貼りたくてうずうずしているのだが,やめておく)。

「それがなにか?」と見下すように彼らを去なして,民主党は沈黙を守るべきである。「説明できないので黙ってるんだー」のような不真面目な揶揄で挑発されても,沈黙すべきである。なぜなら,馬鹿を相手にすると本来の仕事ができなくなるから。耳を傾けるべき意見と無視すべき意見とをきちんと仕分けることの出来るのが政治家というものである。岡田さん,しっかりしてくれよ。「選挙で選ばれてある」ことにのみ立脚すべきである。