Meadow 3.00 intlfonts, /efont/ 24 ドットフォント

とあるロシア通の方と LaTeX や Meadow についてメールをやりとりする機会があった。その方は Windows Meadow 3 を使っておられるのだが,ロシア語を編集する際,24 ドットフォントが利用できないとのことであった。

私は普段 X11 でしか Emacs を使わず,BDF フォントの設定で 14, 16, 24 の各サイズで多言語表示できるようにしている。また,24 ドットフォントだと Emacs の画面サイズが巨大になり,かなりの高解像度でモニターを使用していないと煩い。16 ドットフォントが使えれば十分だと私は思っていた。そういう事情で,私には彼の悩みがいまひとつ解らなかった。私の Windows Meadow 環境で確認したところ,Meadow 3.00 の BDF フォントパッケージ mule-fonts では,たしかに 16 ドット表示しかできない設定になっていた。Meadow のフォント設定は UNIX X11 Emacs とはまったく違う。

mule-fonts パッケージ添付の elisp,BDF フォントのリストを確認し,これに足りない BDF ファイルを補い,elisp コードを追加することにより,24 ドットでも編集できるようにしてみた。件の方に差し上げたところ,24 ドットの大きい文字が使えるようになったとよろこんでくれた。同じ問題で困っている方もあるかと思い,せっかくなので,ここにもそのメモをしるしておく。Meadow Netintall インストーラでもって,mule-fonts パッケージがすでに組込まれていることが前提である。

  1. mule-fonts は intlfonts, /efont/, cdacfonts などのさまざまな多言語 BDF フォントを纏めた便利なパッケージである。しかし,/efont/ Unicode 24 ドットフォントを添付していない。まず,24 ドットフォントを追加するため,efont-unicode-bdf-0.4.2.tar.bz2 をダウンロードし,適当なフォルダで解凍する。.tar.bz2(tar のアーカイブを bzip2 で圧縮したもの)を取り扱うことの出来る Windows 用アーカイバ(lhaplus 等)が必要である。
  2. 数ある /efont/ フォントから,b24*.bdf(b24.bdf, b24_b.bdf, b24_i.bdf, b24_bi.bdf)4 ファイル%MEADOW%\packages\fonts\efonts フォルダの下にコピーする。%MEADOW% は Meadow をインストールしたフォルダ名に読み替える。
  3. mule-fonts には初期設定 elisp: auto-autoloads.el が添付されている。Meadow を起動すると自動的にこれが読込まれて,"mule-fonts16" という名のフォントセットが設定される仕組みになっている。これに 24 ドット用のフォントセット "intlefonts-24" を追加した私の版 auto-autoloads.el を用意した。これをダウンロードし,%MEADOW%\packages\pkginfo\mule-fonts\auto-autoloads.el に上書きコピーする。その際,必ずオリジナル auto-autoloads.el のバックアップを取得しておいてほしい。
  4. Meadow を再起動すれば,「Shift + 左クリック」で Font Menue に "intlefonts-24" が追加されているはずである。これを選択すると 24 ドットフォントで編集ができるようになる。/efont/ b24*.bdf は Unicode のラージフォントであり,ロシア語のみならず,古スラヴ語・教会スラヴ語,古典ギリシア語,ヴェトナム語,CJK 統合漢字等々を含んでいる。
  5. いつも 24 ドットを使いたいわけでなく,必要になった時点で設定したい場合は,次のようにすることもできる。intl_efonts_24.el を適当な場所において,M-x load-file RTN 適当な場所/intl_efonts_24.el RTN とすれば,同様に "intlefonts-24" フォントセットが追加される。ただし,この elisp は auto-autoloads.el がすでに読込まれていることが必要なので,.emacs に記述できない(auto-autoloads.el は .emacs のあとで処理されるため)ことに注意してほしい。