映画『情婦』は 1958 年公開のビリー・ワイルダー監督作品である。原作はアガサ・クリスティ。マレーネ・ディートリッヒが戦争と貧困で心の傷を負った女傑を好演している。最後でなにが真実か混乱させるワクワク感,エンターテーメントはさすがである。
ビリー・ワイルダーの映画は,なんといっても『お熱いのがお好き』が私のお気に入り。マリリン・モンローのあのキュートな演技は忘れられない。でもこの『情婦』のディートリッヒも,往年の凄みがピリリと効いていてよかった。
よい映画は過去に観た作品と比較させ,悪い映画は支払ったチケット代と比較させるものである。
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日本代表のサッカーをテレビで観戦した。2002 年ワールド杯で対戦したベルギーとの試合である。日本って欧州の強豪を相手にしてこんなに強かったっけ? まったく危なげない試合運びにびっくりしてしまった。4--0 という点差が凄い。なにより,走り回る日本チームにまったく着いて行けないベルギーの大男たちが哀れなくらいだった。赤い悪魔・ベルギーも,世界ランク65位というその地位には理由があるということだ。2002 年の互角の対戦から,日本が進化したのか,ベルギーが足踏みをしているのか,わかりませんが。