slavonic.el 更新

Emacs 用スラヴ語汎用インプットメソッド slavonic.el を更新した。アクセントの入力仕様を追加・修正した。ラテン文字系の鋭アクセント (U+0301) と重アクセント (U+0300) を入力できるようにした。

slavonic.el は Emacs の Leim-Quail アプリケーションである。Emacs 標準でもロシア語用,ウクライナ語用などのメソッドが用意されているけれども,これは自作の Emacs Lisp プログラムである。趣味というか,スラヴ研究を曲がりなりにもやった者として,標準品に対する己れの不満を解消したかったのである。その特長として,ロシア語,ウクライナ語,マケドニア語はもちろん,教会スラヴ語,古スラヴ語,旧ロシア語正書法文字など,Unicode Cyrillic で定義されている文字すべてを,これひとつで入力できる。 キリル文字のレイアウトは私の好みである яверты (フォネティック) 配列であり,ロシア語キーボード йцукен 配列に慣れた方はとまどうかも知れない。

最近の Emacs は,文字合成機能をサポートし,「親文字+アクセント」の入力で文字を合成して表示できるので,ロシア語などの教科書・辞書にあるような力点付きの文書入力ができるのである。下図のような感じ。教会スラヴ語・古スラヴ語文字が豆腐になっているのは Monaco フォントの問題である。Optima ないしは DejaVu フォントを選択すればきちんと表示される。

slavonic-input.png

slavonic-oldchar.png

slavonic-greek-im-0902.tar.gz としてリリースした。関心のある方は,ダウンロードサービスから落としてご利用ください。このアーカイブには古典ギリシア語用のインプットメソッドも同梱している。インストール方法はこちらを参照。Emacs 20 以降で使用できる。Mac OS X ネイティブ Emacs.app (Emacs-23) でも動作する。