迷走

ヒラリー新米国務長官来日のさなか,中川財務省の「酩酊会見」と,その後の朝令暮改じみた辞任劇で,政治シーンは大騒ぎとなった。一方,小泉元首相が自民党方針に造反する発言をして,自民党はいよいよ末期的状況に来たようだ。小泉さんがキレたのは,麻生首相が郵政民営化への疑念をいまさらになって口に出したうえ,まさに郵政民営化を問うて獲得した議席数にものを言わせて予算案をごり押し通過させようとするところだと思われる。

民主党など野党も,この無様な政権の有様に乗じて,中川さん,麻生さんの問責決議案を持ち出したりして,お気楽なものである。GDP 12% ダウンのこの危機的な事態にあって,民主党は中川さんの全世界的失態(だからどうだと言うのか,国際的影響力皆無の日本の政治家が世界の話題になって,よいではないか。しかし,なんで側近のお役人は中川大臣の会見を止めなかったのか!)の責任追及に余念がなく,どうも国民の生活などよりも次の選挙のことしか頭にないようである。彼らこそ危機感に欠けるように思われる。心配しなくても自民党は自滅するのだから,人の足を引っ張るのではなくて新しい気の利いた政策を提言してもらいたいところなのに。