先ほど,北京オリンピック野球予選,日本 VS 韓国戦が終わった。手に汗握る素晴らしい試合であった。日本は残念ながら勝負強い韓国に破れたが,プロらしい粘りを見せてくれた。韓国の監督の冷静にして決然たる采配と,星野監督の「選手を信じる」熱血采配との差が出たのではないだろうか。要するに,不都合が起きる前に手を打つ指揮者と,問題が起こってはじめて火を消しに掛かる指揮者との差。こういう微妙な違いが勝敗を決するところ,本当に素晴らしい。唸らせてくれた。
日本も韓国も,選手の顔つきが凄まじかった。ピンチでの和田投手の力投。2点先制された直後に,和田投手の不用意な四球のあと,抜け目なくホームランをかっ飛ばした韓国選手。最終回3点ビハインドという絶望的な状況で三塁打を放った新井選手。男の戦いを見せてもらった。日韓両国の選手たちに敬意を表するべきである。ねちねちと攻めないといけないノーアウト二・三塁の場面でボール球を大振りしてしまうロングヒッターの愚かな性向,ここぞというときの三塁手の守備の乱れ — 村田選手のような恰幅のよい三塁手はヘタクソという確固たるイメージが私にはある。アテネ五輪 (中村紀選手) でもそうでなかったか — は,ロングヒッターと投手力だけで選出された日本最強メンバの悲哀ということで,納得しましょう。
緊迫した戦いのなか,日本のチャンスで山本コーチが手のひら,肘裏,肩へとリズミカルに手を打ってサインを出すのを見て,高校2年になる息子がその真似をしながら「エンヤーコーラヨット,どよぉはーちーじぃだ!」とドリフターズの『8時だョ全員集合!』のテーマソングを歌いだした。こんな昔のテレビのネタをいったいいつ仕入れているのか。この息子,勉強はいまいちなのだが,この明るさには我が子ながらまったく頭が下がる。