どうなる北京オリンピック

北京オリンピックの聖火リレーが,チベット問題に端を発する対中国抗議団体によって妨害され,それが大々的に報道されている。大会をボイコットすべきかどうかとか,西欧各国首脳はオリンピック開会式に出席するや否やとか,たいそう騒がれている。

中国の人権にまつわる問題は褒められたものでは決してないけれど,チベットに対する中国の強圧的な対応はいまにはじまったものではない。また,イラクやパレスチナやアフガニスタンで繰り広げられているもっと凄まじい極悪に比べれば,チベット問題はそれほど敵意をもって囃し立てるべきことなのか。いまさらのように「人権尊重」などといっている偽善的な欧米の尻馬にのっているだけのように私には思われる。

北京オリンピックを成功させて,中国に「ちゃんとした」先進国になってもらったほうが中国市場の質が高くなって,日本にとってもいいことだと思う。韓国もソウルオリンピックの準備とその成功で,昔の軍政独裁国家,あの朴大統領暗殺事件などの血なまぐさい国のイメージがきれいさっぱりなくなったではないか。

これで日本の首相が,欧米諸国と足並みをそろえて,北京オリンピックに政治的なくちばしをはさむようなマネをしたら,それこそ欧米からも中国からも失笑されるに違いない (仮に米国が政治的にこの問題を採り上げる行動に出た場合,日本政府のお追従は目に見えるようです)。

それにしても福田さん,このネジレ国会のおかげでやることなすことことごとく意を得ない情勢で,本当にかわいそうになってくる。「国民の生活」とかいい気なことをいってはいるけど実際はその政策論に何の現実性もない,ただの人気とり反対政党民主党 — 二年前に決まった高齢者医療保険料の天引き問題を,まるでいまはじめて知ったかのように騒ぎ立てるやりくちに呆れてしまう — が相手では,いよいよかわいそうになってくる。

仕事でどたつくとぼやきたくなるこの愚かしさよ。