ドメイン IP 更新の悩み

気づかないうちにルータに付与された IP アドレスが変更されていて,昨日から私のサイトにアクセスできなくなっていたようである。

昨年の 11 月だったと思うが,インターネット環境を B フレッツ 100Mbps 光ファイバに変えた。それに伴い IP ルータを,それまで使っていた YAMAHA 製 RT55i から NTT のレンタル品 RT-200NE にリプレースした。コストからくる選択である。

ところがこの RT-200NE の機能は,YAMAHA 製品に比べ大きくデグレードしていて,私として致命的とも言えることとしては,Telnet による設定変更ができない。このため,インターネット通信は著しく高速化した一方,運用が極めて面倒になってしまった。今回の問題もここに関係する。

FTTH 環境は回線を占有し続けることは想定されておらず,メンテナンスやら利用者側の要因で接続が切れて,そのタイミングで IP アドレスが変わってしまうことが頻繁に起こる。私のようにダイナミック DNS サービスからドメイン名を取得していると,ルータに付与される IP アドレスの変更に応じて,ドメイン名に割り付けるべき IP アドレスも変更登録する必要がある。Telnet でルータ設定が可能ならば,— 定期的にルータに Telnet ログインして IP アドレスを問い合わせし,変更があった場合,新しいアドレスでダイナミック DNS にドメイン更新を行う,— そういうプログラムが簡単に書けてしまう。YAMAHA RT55i のときは自前で書いたそのような仕事をする自動更新プログラムで IP 変更がチェックでき,DNS 自動登録ができたので,1 時間もすれば DNS が書き変わって外部から再びアクセスできるようになっていたのだった。

RT-200NE になって事情が変わった。Web インタフェースでも同様の処理ができないことはないだろうが,ルータへの問い合わせの回数が多くて複雑になり,プログラムを書く気が失せてしまう。よってもって RT-200NE の場合,IP 変更に気づいたとき Web ブラウザを操作して新しい IP アドレスを確認した上で,ダイナミック DNS 登録アドレスを手動で変更しなければならない。面倒このうえない。IP 変更に気づかなければ,今回のようにしばらくサイトが利用できない状況に陥る次第である。

また始末が悪いことに,RT-200NE では,DNS で引いた私のドメインのグローバルアドレスで,ルータの内側から自宅サーバにアクセスすることができない (こんなことそもそもできないと思うひとがいるかも知れないが YAMAHA RT55i ではできたのである)。RT-200NE の IP マスカレードとルーティングの機能が不十分なのだ。よって自宅クライアント PC から自宅サーバへの,つまり yasuda.homeip.net もしくは nox-insomniae.ddo.jp へのアクセスは,/etc/hosts に内部プライベート IP を登録しておいて直接サーバと通信する方式となり,インターネットから本当に接続できるのか否かが判断できないのである。気づかないで放置してしまう可能性がさらに膨らむわけである。

最近のコンシューマ向けのルータ製品は「簡単設定」の名目で Web ブラウザでの設定操作インタフェースしか有していないことが多い。そんななか,インターネット常時接続契約以来愛用してきた YAMAHA 製品はよく考えられていて,Telnet で接続できる制御プログラムをずっと提供し続けている。ハードウェアの設定機能は一般ユーザの目に付きにくいだけ,原価低減のためにサボるメーカが多いと思われるだけに,さすが YAMAHA なんである。RT-200NE はどこの OEM 製品かは知らないが,懐具合を見てさっさと捨て去って,YAMAHA 製品に戻したいと考えている。