美化運動とお散歩

今日は珍しく6時に起床して出社した。会社の地域ボランティアの一環で美化運動というのがあり,月一回朝定時前に事務所ビル近辺の道路沿いの清掃を行う。今月は私の所属する本部の担当だった。7時30分ごろ会社に着き,一番乗りかと思ったら,うちのグループの一番若い課員 — 阪大医学部を出てSEになった変わり者 — が先にいた。「泊まりか,お前?」

軍手を嵌め,塵取り,箒を手に,東陽町周辺の永代通りに沿ってゴミ拾いした。酔っ払いの反吐を見つけたらどうしようかと思いつつ,きっちり30分間働いた。予想通り,煙草の吸殻がほとんどであった。

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お午休みにちょっと散歩がてらひとり外に出た。永代通りを日曹橋で明治通りに折れて,亀戸の方向にてくてく歩いた。これまで足を運んだことのない界隈である。強い日差しで茹ってきた。

看板に「天ぷら,刺身」とある小さな料理屋に入った。止まり木だけの冷やりした渋い店内には客が四人いた。トラックの運転手か。捻り鉢巻をしている。

和服を着た若い女店員が注文をとりに来た。「天丼,...」— お品書きには並と上がある —「並」。

天丼が来た。海老も掻揚もない...並480円とはこういうことかと納得。南瓜,隠元,紫蘇,茄子。赤出も旨かった。鮎の塩焼きの貼紙を見,食指が動いて悩む。

食っていると,向かいの客の腕に目が留まった。紺と朱の渦巻く見事な刺青。和服の女は御河童頭で色白の,大正風を思わす美人であった。客と愛想よく話をしている。姉さん膚。ここは深川なんだと想い起こした。

たまにはふらふら永代通り周辺を散歩するのもよい。