ダ・ヴィンチの『受胎告知』

上野,東京国立博物館で開催中のレオナルド・ダ・ヴィンチ展を観る。『受胎告知』が日本に来る,というので必ずいかなくちゃと決めていたのだ。妻は昨日映画を観たというのでお留守番,上の息子は部活。ということで娘と二人で出かけた。ゴッホ展の時に比べると,意外に待ち時間が少なかった。

天使ガブリエルの衣の紅が凄かった。書見台の文様,髪の毛などの絵具の肉感には,ああレオナルドを観たぞという感動を覚えた。絵を習っている娘が,「なんか壁が歪んでない?」という。私は「まあそんなもんじゃないの?」とテキトーなことをいっていたら,そのあと第二会場で観た解説フィルムによれば,この絵はカンバスに向かって斜め右下から観るのに最適化された遠近法で描かれていて,それに応じたデフォルメを施されており,正面から観ると歪んでいるという。「本当だね,ふみ,よく視てるね」。

黒田清輝の展覧会も同時に開催されていた。有名な『湖畔』を観ることができた。法隆寺の仏像展もやっていて,なんかいっぺんにもったいないなと思いつつ,縄文,弥生時代の出土品,蒔絵,日本刀の常設展ともども足速く観て回りくたくたになった。

国立博物館の前の公園の入り口で,ホームレス風のひとたちが長蛇の列をなしていた。どうも炊きだしのようである。上野って,味のあるところである。

070505_fumi1.png