Utf82TeX の確認のため,Windows に角藤先生の W32TeX の追加パッケージを導入した。先日 ActivePerl,iconv,swath,W32TeX 主要パッケージを入れたのだけれど,Utf82TeX 添付のサンプルの変換結果が組版できるか,前提となる多言語環境を Windows でも試しておく必要を感じたからである。
W32TeX のフルインストールに近いパッケージのダウンロードと組み込み,ThaiLaTeX タイ語,VnTeX ヴェトナム語,Unicode,OTF,Teubner,cbgreek,SlavTeX,HipTeX,ghostscript,自作の OldSlav,Izhitsa などなど面倒この上ない。そうはいっても,W32TeX を入れ込んだ段階で Babel の完璧な環境ができあがっているのはすごいと思った。
LaTeX は テキストベースの処理系でありプラットフォーム依存度の低いシステムであるといえるけれど,いろんなパッケージをインストールして確認していると,UNIX とは仕様の異なる場合があるのに気づく。ThaiLaTeX のフォント切り替えは UNIX では Norasi と Garuda で,てっきり同じだと思っていたのに Windows だとサンセリフは Garuda でなく dbttx を指定しないといけない。VnTeX も UNIX だと普通に通るのに,Windows だといくつかの言語と併用すると,endcsname missing などのよくあるエラーが出たりする。アクセントを独自のマクロなんかで処理するとへんなコンフリクトを起こすようで,OldSlav もいくつかこのために手を入れなければならなかった。SlavTeX サンプル文書も,UNIX では tex \&slplain pray.tex でコンパイルできたのに,Windows では tex -fmt=slplain pray.tex としないといけなかった。
ドイツ語,フランス語,チェコ語,ロシア語,ウクライナ語,教会スラヴ語,古典ギリシア語,タイ語,ヴェトナム語,簡体中国語,繁体中国語,韓国語,日本語からなる,これだけやればそれなりの多言語環境といってよいサンプルを Windows 上で Utf82TeX によって変換し,LaTeX 処理して PDF を生成するところまで確認。疲れはてた。