折々のうた

今日はうららかなよい天気だった。ここのところ雨もよいの日が続き,トラブル対応で毎日午前様ときては,気分も晴れないわけだが,なんとも幸せな気持になる日よりだった。

お午まえ,プロジェクトルームから本来の勤務地である赤坂に PC をとりにゆく。新川崎駅で電車を待って,ベンチに腰掛けて大岡信の『新 折々のうた 8』を読んでいた。8冊目にもなると平成十六年刊の歌集などつい最近の詩がかなりを占める世界になっている。

水原紫苑の歌「みごもりは老若男女を問はざらむおのがたましひ人はみごもる」のところで考え込んでいたちょうどそのとき,赤子の泣き声が春のようなうららかな気をついて高らかに立ち響いた。この歌はそれだけだとどうというわけでもないのだろうけれど,その声のしんのつよさに言い知れない感動を覚えた。赤ちゃんのたましひは声にみごもるのか。