米国映画『イノセンス・オブ・ムスリム』を巡って,ムスリムによる反米デモが激化している。恐らく米国,欧州では,中国の反日デモなんかとは比較にならないくらい,こちらのデモが関心を惹いていると思われる。9.11 以降,イスラム教徒は米国,欧州で差別され,暗黙の内に排斥の対象となっている。そこにこういう宗教的イヤガラセをされ,ブチ切れたのだろうと察する。
今日午後,遅い午飯を食おうと霞ヶ関の事務所を出て特許庁前交差点まで来たら,JT ビル付近で拡声器のダミ声が騒がしく何事かとそちらに向かった。イスラム教徒による反米抗議デモだった。米国大使館から 100 メートルくらい離れた JT ビルの敷地内に人が集結していた。米国大使館正門前も日本の警察が厳重警戒しており,デモ隊を近づけないようにしていた。白人ジャーナリストが巧みな日本語で「取材ならいいでしょう?」と警官に食って掛かっていた。デモ隊は,大使館方向に向けて,よく聞き取れない日本語でシュプレヒコールをしていた。「イチバン,キライ,イチバン,サイテー」みたいなことを言っていた。白人の人たちも結構いた(報道陣と,多分,カウンターデモの人たちだろう)。拡声器をもって先頭でがなり立てている人のすぐ前には,警官たちが対峙していた。見物人ひとりひとりの写真を撮っている,報道陣とは明らかに別種の者がいた。すぐ近くで見ていた私もレンズを向けられた。あまりよい気はしなかった。
日本でも反米デモか。私は問題の映画を見ていないので,ここまでデモが拡散・激化する理由はよくわからない。言えることは,どれだけ「言論・表現の自由」が保障されるべきだとしても,他人の神を冒瀆するのはやってはいけないということ。反イスラムを主張するに「他人の神を冒瀆する自由」を掲げるのはどうかと思う。