ジャイアンツは最近調子が上がり,チーム力も安定し,とうとう中日を抜き首位に躍り出た。開幕当初は投打が噛み合わず不運な負けが続いていた。今年は杉内投手など投手力を補強したのが必ず実を結ぶと思われた。私はこのまま行くような気がします。意外なことに,原監督の一億円スキャンダルも — さすが讀賣グループ — うまく抑え込まれているようだ(浮気をネタに脅迫されてこんな大金を払うなんて,原さんには今回ちょっとがっかりさせられた。やっぱり間寛平・吉本興行のようにヤクザの脅しにきちんと法的手段で対処した人のほうが社会人らしくてかっこいい。ま,原さんの仕事はプロ野球の監督なのだからそこで凄さを見せてくれればよいわけだ)。
それに対して,わが阪神タイガース。早くも自力優勝がなくなりそうな気配。球界最高の年俸をもらいながら選手はいったい何をやっているのか。これでよいのである。これこそ伝統的阪神の姿なのだ。優勝なんかしちゃったら選手の給料をまた上げなくてはならなくなるから,フロントはもともと優勝にはこだわらない。A クラスに残るかどうかでファンの気持ちを掻き立て,それによって既得権益を守ることこそが,和田監督のミッションなのである。でも,この体たらく(4位争い)ではファンも球場に足を運ばなくなりそうである。
それにしても,プロ野球は既得権益に守られたセ・パ12球団の紳士クラブである,というところはなんとかならないものかと私は思う。阪神を堕落させているのは,全国区の固定ファンによる固定収入だと思うからである。もっと球団を増やして,リーグをサッカーのように1部,2部に分け,成績の振るわない — そう,阪神,広島,DeNA みたいな — 甘えたチームを2部に降格させればよいのである。そうなれば,降格による収入減を恐れるフロントは勝利のためのテコ入れを惜しまないだろうし,選手は必死のぱっちでプレーするはずである。あと,国際試合がナショナリズムでファンを加熱させるわけだが,野球じゃあな。大リーガーの出て来ない WBC じゃあな。プー。
てなわけで,私の今年の野球シーズンは終わったようなもの。次の楽しみに目を向けよう。この7月にはロンドン五輪がはじまり,8月には U-20 女子サッカーワールドカップが開催され,9月はブラジル・ワールドカップ・アジア最終予選がある。ヨワい阪神のファンであるおかげで,スポーツの楽しみにメリハリがついてよい。ただの負け惜しみか。