古代教会スラヴ語 LaTeX パッケージ OldSlav 1.0 をリリースした。\today を教会スラヴ語で出力するオプション,命令をサポートした。これまで OldSlav は \today をロシア語で出力するものだった。これを教会スラヴ語様式で出すものである。これを機に,バージョン番号を一気に 1 とした。ダウンロードはここから。『OldSlav 利用の手引き』ドキュメントも改訂した。
Babel oldchurchslavonic 言語指定で利用する場合は,\languageattribute
例えば,次のような記述を行うと,その下に示すような出力が得られる。どれも「2009 年 2 月 7 日」の表示である。
\documentclass[b5paper]{jsarticle} \usepackage[T2A,T2D,T1]{fontenc} \usepackage[nippon,russian,oldchurchslavonic]{babel} \begin{document} \selectlanguage{oldchurchslavonic} \textlatin{1:} \today\par% russian (default) \slavdateon% \textlatin{2:} \today\par% old church slavonic (on) \slavdateoff% \textlatin{3:} \today\par% russian (off) \selectlanguage{nippon} 4: \today\par% japanese 5: \slavtoday\par% russian (off) \slavdateon% 6: \slavtoday\par% old church slavonic (on) \end{document}

教会スラヴ語出力での月の名称の一覧は以下のとおり。日付で出力するため,各名称は生格形で掲げている。

これらの月名は,ふたつの資料を典拠とした。ひとつは Андрей Лебедев (アンドレイ・レーベヂェフ) 氏のサイト "Соборник двунадесяти месяцей — Из церковно-славянского требника издания 1882 года." にある требник の写本画像。こういう貴重な写本画像を公開してくれる方がいるものである。
もうひとつは 1900 年に出版された Священник магистр Григорий Дьяченко (学士司祭グリゴーリイ・ヂヤチェンコ) 編・教会スラヴ語辞典全二巻 "Полный церковно-славянскій словарь въ 2-хъ томахъ." である。これは,モスクワ Терра - книжный клуб 出版社が 1998 年に出版したリプリントである。 革命前の旧正書法で印刷されており,なかなか味わいがある。これを Ozon の古書で見つけたとき,私は小躍りしたものである。
