卒業式

今日は上の子(中学校)と下の子(小学校)の卒業式だった。同じ日なので,妻が小学校,私が中学校というように,分担して出席。

校長先生が万葉集の『名のらさね』の歌を引いて,ことばと行い(こと)は古来同一のもので君たちもよく心得よ,との戒めの挨拶をした。なかなかのものだった。この先生,ちょっと有名な歌人でもあるが,かなりのお祖父さんでもあり,生徒からはホーンテッドマンションと呼ばれていた。

最後に『仰げば尊し』と『蛍の光』の斉唱。

いつしか年もすぎの戸を
あけてぞ今朝は別れ行く

日本人はこういう別れの発想が大好きなんである。これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関(蝉丸)。「すぎ」と「あけてぞ」が掛詞になっているのに今更のように気づいた。またもうひとつ,「今こそわかれめ」という文言が,実は「ほかならぬいまこのとき別れよう」という係り結びであるということに改めて気づいた。「分かれ目」ではないんである。

卒業式のあとは,御成門の東京プリンスホテルでの謝恩会。なんでこんな金ばっかりかかるところでやんの? 卒業生は元気で,うらやましくなってしまった。私は立食パーティで疲れるばかりであった。