久しぶりの池袋

西武池袋沿線のとあるお客様のところにお伺いした。面白からぬ打合わせ。不愉快な思いもしたし,時刻が定時あたりでもあったので,帰社する気にもなれず,帰りに久しぶりに池袋で駅舎を出た。西武百貨店の最端にある本屋に行く。結構様変わりしていて,私は ILLUMS なるインテリア専門店に紛れ込んでしまい,掲示案内に従って書店を探すのだが,「書店街」を指し示すその先を見ても壁に打ち当たるとしか思えず,ぐるぐる巡りをしてしまった。

書店リブロは地下 1 階から地上 4 階に及ぶ大型書店になっていた。でも『ぽえむど・ぱろうる』が無くなっていてがっかりした。就職して札幌から東京に出てきたとき,東京の大型書店の規模には少なからぬ驚きを覚えたが,池袋西武リブロの詩集専門店『ぽえむど・ぱろうる』と,そのそばの現代音楽の豊富な CD 兼美術書ショップをはじめて訪れたときは,東京ではこんな奇特な店が成り立っていることに本当にびっくりした。ジュリアン・グラックの詩集を買い,石川九楊の書の栞をもらい,武満徹の室内楽 CD を買ったことを思い出す。

湘南新宿ラインで家路についた。この路線ができて,池袋から最寄りの駅まで 30 分で着いてしまう。車中,世界の中心で愛を叫びそうなカップルがずっといちゃいちゃしていて辟易してしまった。