宮前フィル第24回定期演奏会

今日,ミューザ川崎での演奏会に出かけた。川崎市のアマチュア・オーケストラ,宮前フィルハーモニー交響楽団と宮前フィルハーモニー合唱団との定期演奏会である。JA でチケットを無料で手にいれたのである。アマチュア・オケがミューザ川崎みたいな豪華なホールで公演ができるなんてよい時代になったものである。というかこんなすごいホールを運営している川崎市という自治体こそが特別だというべきか。

演奏曲目は,ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデル作曲オラトリオ『メサイア』抜粋と,グスタフ・マーラー作曲交響曲第一番ニ長調『巨人』。オーボエの一声にはじまる音合わせ,会場のどよめきと静まりのなかから立ちのぼってくる統制された音響,そのひとつひとつが私は好きである。とくに今日はアマチュア・オーケストラということもあってどんなものがとび出してくるか,いつもと違う期待感もあった。

とくにマーラーがよかった。ヘンデルもフーガの線が美しかった。アマチュア・オーケストラの団員は,何ヵ月もの間,仕事のあとの個人練習,休日の全体練習を続けて今日を迎えている。演奏は団員の日頃の努力が伺われる素晴らしいものだった。破綻がないこと自体,とくにマーラーみたいな起伏の激しい近代音楽の演奏では称賛に値する。

指揮者はプロであった。マーラーの一番を暗譜で振ってしまうところなんかみると,こういう誠実な指導者があってこそアマチュアのオーケストラのレベルがアップするんだと思った。

以下は私の愛聴盤。

Symphony 1
Claudio Abbado (Dir)
Chicago Symphony Orchestra
Polygram Records (1990-10-25)
ヘンデル:オラトリオ「メサイア」(全曲)
鈴木雅明, 鈴木美登里, 米良美一, エルヴュス(ジョン), トーマス(デイヴィッド)
キングレコード (1997-05-21)