ダ・ヴィンチ・コード

『ダ・ヴィンチ・コード』全編読了。電車通勤の生活が再びはじまって,通勤途上でまたミステリを楽しむようになった。

宗教史と芸術とが絡み合う探求物語はミステリのもっとも豪華な形態だと思う。ことばやイメージが背景や時代によって幾重にも意味の広がりをもち,それこそがミステリに奥行きを与えるのだと思う。『最後の晩餐』のイエスの左隣に描かれた人物の謎解きで,この名画を画集でみたときに抱いた違和感が晴れた思いがした。とはいえ,事実と虚構との境目の妖かしが歴史ミステリの立脚点でもあり,あまりの面白さに興奮してこれらを混同しないようにしないと。読み終えて息子に貸し与えた。

とりあえず上巻だけリンクを付けておく。

ダ・ヴィンチ・コード(上)
ダン・ブラウン 越前 敏弥
角川書店 (2006/03/10)