ロシア語テキスト環境の利用

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ロシア語テキスト環境の利用

1.

ロシア語テキスト環境の指示

ISO 8859-5 コードのテキスト
ISO 8859-5 コードで書かれたファイルは通常、そのままでは文字化けしてしまいます。 Mule に対して文字コードを指示する必要があります。その方法のひとつを次に示します。

(a)
Mule を起動して``M-x''を (=``Alt''キーと``x''キーを同時に) 押す
(b)
``set-primary-environment''と入力して実行
(c)
``Primary environment (language) ?''に対し、 ``Cyrillic''と入力して実行

これで ISO 8859-5 コードのテキスト環境になります。 ``C-x C-f ファイル名'' でロシア語テキストをオープンし、編集できるようになるはずです。
Compound Text のテキスト
X11 では多言語の標準として Compound Text (ctext) 形式を取り扱います。これにより英語のほかロシア語や日本語、フランス語、ドイツ語のテキストを同時に編集することができます。 Mule は Compound Text も標準サポートしています。 ctext で書かれたテキストファイルは Mule で開くと ctext モードとなりますが、それ以外の形式で作成していたテキストを ctext にするには以下のようにします。

(a)
Mule を起動して``M-x''を押す
(b)
``set-file-coding-system''と入力して実行
(c)
``File-coding-system:''に対し、 ``*ctext*''と入力して実行

2.

Quail(多言語入力メソッド) によるキリル文字の入力

Mule を起動して ``C-]'' を (=``Ctrl'' キーを押し下げながら ``]'' キーを同時に)押すとモード行に ``'' と表示されるはずです。これで ${\tencyr\cyracc YAVERTY}$ 配列でロシア文字が入力できます。 (図 2.2)

図 2.2: Quail 切替え

$\includegraphics[width=1.2\linewidth]{quail_mode.eps}$
ロシア風のキー配列にしたい場合、``M-s'' を (=``Alt''キー押し下げながら ``s''キーを同時に) 押し、``jcuken'' と入力すると変更されます。
もう一度 ``C-]'' でモードが通常のモードに戻ります。
Quail モードで ``M-z'' を押すと Quail のヘルプが表示されます。キーボード (UNIX キーボード配列) のレイアウトその他のヘルプが表示されます。 (図 2.3)

図 2.3: Quail ヘルプ

$\includegraphics[width=1.2\linewidth]{quail_help.eps}$
その他スラヴ語用の配列としては以下のものがあります。いずれも各国語入力に相応したキー配列となります。
- ukrainian ウクライナ語用
- macedonian マケドニア語用
- serbian セルビア語用
- beylorussian ベロルシア語用
- jis-russian JIS 全角ロシア文字入力用
Quail ロシア文字のキーボードレイアウトを図 2.4 及び図 2.5 に示します。
- ただしこれは英語 101 (104) 配列キーボードのレイアウトです。通常の日本のパソコンに附属する 106 (109) JIS 配列キーボードでは、キーマッピングが異なりますので注意してください (FreeBSD などの PC-UNIX では、英語キーボードの方がメジャーで、私もこちらの方が使い慣れています)。
- Xruskb での入力は Quail と若干異なりますが、図の ( ) 内の部分がこれに該当します。
図 2.4: キーボード配列 1 (yawerty)

$\includegraphics[width=1.05\linewidth]{kb_yawerty.eps}$

図 2.5: キーボード配列 2 (jcuken)

$\includegraphics[width=1.05\linewidth]{kb_jcuken.eps}$

3.

**図 2.2:** Quail 切替え
$\includegraphics[width=1.2\linewidth]{quail_mode.eps}$

**図 2.3:** Quail ヘルプ
$\includegraphics[width=1.2\linewidth]{quail_help.eps}$

**図 2.4:** キーボード配列 1 (yawerty)
$\includegraphics[width=1.05\linewidth]{kb_yawerty.eps}$

**図 2.5:** キーボード配列 2 (jcuken)
$\includegraphics[width=1.05\linewidth]{kb_jcuken.eps}$

多言語テキストの印刷
any2ps という PostScript 形式に変換するツールが添付されており、印刷はこれでいったん PostScript に変換したあとで、PostScript プリンタか Ghostscript (後述) がサポートするプリンタに出力します。印字品質はフォントが印刷目的でないためかいまひとつです。

% any2ps -fp BDFフォントパス -dpi 360 -fs 14 -tm 750 -ml 50 \
  < 多言語テキストファイル | lpr -Ppsprinter

BDF フォントパスは先に印刷用として作成した BDF フォントディレクトリを指定します。 psprinter は PostScript 形式に対応したプリンタを指示します。その他のオプションは m2ps のマニュアルを参照してください。

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