Mac OS X Jedit X, TeXShop から misima を使う since Nov. 2 2007 |
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概要 |
misimaSoapService-2.5 を導入すると,Mac OS X で人気の高いテキストエディタ Jedit X 及び TeX 統合環境 TeXShop から misima 旧仮名遣い・旧字変換支援を利用することができる.これらのアプリケーションで作業しながら,旧仮名遣い・旧字に変換したいテキストを選択し,パッケージ提供 AppleScript を実行すると,SOAP Web Service インタフェースで筆者の misima SOAP サーバ http://yasuda.homeip.net/axis/services/misimaSoapConnector で変換を行い,その結果で選択テキストを置換する.西欧語,スラヴ語,ギリシア語,タイ語,日中韓 Unicode 文字の TeX 多言語変換も可能である.本稿は Jedit X, TeXShop での misimaSoapService-2.5 の導入手順及び使い方を示す. misimaSoapService-2.5 パッケージはこのほか, GNU Emacs(Meadow), Microsoft Word 2003, Windows 秀丸エディタから misima SOAP Web Service を利用するためのクライアントを同梱している. 詳細は『利用の手引き』を参照. |
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パッケージ内容 |
パッケージはダウンロード・サービスから最新版が取得できる. misima 変換機能については Web 公開しているサービスとほぼ同等である.ただし,ユーザ辞書には未対応である. misima 機能・インストール・利用全般についてはドキュメント misimadoc.pdf を参照のこと. |
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環境前提 |
Mac OS X Tiger で動作確認をしている.Mac OS 9, Classic 環境では動作しない.筆者は Mac OS X Tiger 10.4.10 で開発/動作確認を行っている. Jedit X はバージョン 1.42 で,TeXShop はバージョン 2.14 でそれぞれ試験している.AppleScript をサポートした最近のバージョンなら動作すると思う. |
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AppleScript
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misimaSoapService-2.5.zip をダウンロードし,適当なフォルダに解凍しておく. misima-SOAP-AppleScript.dmg ディスクイメージをダブルクリックしてマウントする."Jedit X" と "TeXShop" の二つのフォルダが表示される.(図 1) 図1 AppleScript ディスクイメージ "Jedit X" と "TeXShop" の内容は以下のとおりである. - Jedit X/ : Mac OS X Jedit X 用 AppleScript - Jedit X/misimaTeX変換.scpt : TeX変換用 - Jedit X/misima旧字変換.scpt : 旧字変換用 - Jedit X/misima旧字旧仮名TeX変換.scpt : 旧字旧仮名TeX変換用 - Jedit X/misima旧字旧仮名変換.scpt : 旧字旧仮名変換用 - TeXShop/ : Mac OS X TeXShop 2 用 AppleScript - TeXShop/misimaTeX変換.txt : TeX変換用 - TeXShop/misima旧字変換.txt : 旧字変換用 - TeXShop/misima旧字旧仮名TeX変換.txt : 旧字旧仮名TeX変換用 - TeXShop/misima旧字旧仮名変換.txt : 旧字旧仮名変換用 |
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Jedit X 用
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ディスクイメージの "Jedit X" フォルダを開く. Jedit X を起動し,メニューバーの右端のメニュー(リボンのような)から「スクリプトウィンドウを表示」をクリックし,スクリプトウィンドウを表示する.(図 2) 図2 スクリプトウィンドウ "Jedit X" フォルダ内のスクリプトをすべて選択して,Jedit X スクリプトウィンドウにドラッグする.(図 3) すると Jedit X のスクリプトに追加される.(図 4) 図3 スクリプト追加 図4 追加後のスクリプトウィンドウ・メニュー 提供スクリプトの変換オプション設定は以下のとおりである. "-kyit -s c" などの変換オプションについては項「misima オプション」を参照. - ファイル名: 変換操作内容 (misima オプション) - misimaTeX変換.scpt: TeX 変換用 (-x kutx) - misima旧字変換.scpt: 旧字変換用 (-t -s c) - misima旧字旧仮名TeX変換.scpt: 旧字旧仮名 TeX 変換用 (-kyith -s a -x kutix) - misima旧字旧仮名変換.scpt : 旧字旧仮名変換用 (-kyith -s c) |
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Jedit X での
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Jedit X エディタで文書を作成するなかで,misima 旧字・旧仮名遣い変換が必要となるテキストを選択(マウスで範囲をドラッグ)し,適当な変換オプションにバインドした misima 用 AppleScript を実行すればよい.文書エンコーディングは Unicode UTF-8 とする. スクリプトを実行すると,選択テキストが変換結果で置換される. テキストが選択されていないと,エラーメッセージを出力する. もし,結果が変るはずなのに変換されない場合(時折発生する),再度変換操作を行ってみるとよい.万一,変換中になんらかの障害が発生してテキストが失われるような事態が起きたら,「コマンド+z」でアンドゥーして戻してほしい. 変換前後をそれぞれ図 5,図 6 に示す. 図5 Jedit X 対象テキストを選択してマクロを実行 図6 Jedit X 対象テキストが変換結果で置換される TeX変換オプション付きの変換前後をそれぞれ図 7,図 8 に示す. 図7 Jedit X 対象テキストを選択してマクロを実行 図8 Jedit X 対象テキストが変換結果で置換される |
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TeXShop 用
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ディスクイメージの "TeXShop" フォルダを開く. TeXShop を起動し,メニューバー「マクロ」-「マクロエディタを開く...」をクリックし,マクロエディタを表示する.(図 9) 図9 マクロエディタ 「新規」をクリックし,「項目名 :」のエリアにスクリプト名(ここでは「misima旧字旧仮名TeX変換」)を入力する.(図 10) 図10 項目名の入力 「内容 :」のエリアをクリックして,カーソルを位置づける.ここで適当なテキストエディタ(ここでは Jedit X)で,"TeXShop" フォルダにある TeXShop AppleScript から「項目名 :」エリアに指定したスクリプトを開き,全内容をコピー(コマンド+a コマンド+c)する.(図 11) 図11 スクリプト内容のコピー コピーしたスクリプト内容を,マクロエディタの「内容 :」のエリアにペースト(コマンド+v)する.(図 12) 図12 スクリプト内容の貼付け 「保存」をクリックすると TeXShop にスクリプトが登録される.このときショートカットキーを適宜設定してもよい.上記操作を misima 提供スクリプト分繰り返す. すべてのスクリプトを登録したら,マクロエディタ「Applescript」メニューの適当な位置に misima スクリプトを再配置しておく.項目名をマウスでドラッグして移動すればよい.これで TeXShop 用 AppleScript のインストールは完了である.(図13) 図13 登録スクリプトメニュー 提供スクリプトの変換オプション設定は以下のとおりである. "-kyit -s c" などの変換オプションについては項「misima オプション」を参照. - ファイル名: 変換操作内容 (misima オプション) - misimaTeX変換.txt: TeX変換用 (-h -x kutx) - misima旧字変換.txt: 旧字変換用 (-th -s c) - misima旧字旧仮名TeX変換.txt: 旧字旧仮名TeX変換用 (-kyith -s a -x kuitx) - misima旧字旧仮名変換.txt: 旧字旧仮名変換用 (-kyith -s c) |
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TeXShop での
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TeXShop エディタで文書を作成するなかで,misima 旧字・旧仮名遣い変換が必要となるテキストを選択(マウスで範囲をドラッグ)し,適当な変換オプションにバインドした misima 用 AppleScript を実行すればよい.文書エンコーディングは Unicode UTF-8 とする. スクリプトを実行すると,選択テキストが変換結果で置換される. テキストが選択されていないと,エラーメッセージを出力する. もし,結果が変るはずなのに変換されない場合(時折発生する),再度変換操作を行ってみるとよい.万一,変換中になんらかの障害が発生してテキストが失われるような事態が起きたら,「コマンド+z」でアンドゥーして戻してほしい. 変換前後をそれぞれ図 14,図 15 に示す. 図14 TeXShop 対象テキストを選択してマクロを実行 図15 TeXShop 対象テキストが変換結果で置換される TeX変換オプション付きの変換前後をそれぞれ図 16,図 17 に示す. 図16 TeXShop 対象テキストを選択してマクロを実行 図17 TeXShop 対象テキストが変換結果で置換される |
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misima
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misima オプションの書式及びオプション機能を以下に示す. 書式: [-k|-y|-i|-t|-n|-h|-g|-b|-d|-q|-s {cjhua}| -x <kuixhrtTaf>|-c {CTK}|-m {ht}| -u URI] [ ] は | 区切りのオプションが選択可能であることを示す(複数可). { } は引数指定時にいずれかひとつを指定すべきことを示す. < > は引数指定時に複数を指定できることを示す. -kyit のように指定してもよい. --- -k 旧仮名変換を行う. -y 用語・用字変換を行う. -i 繰返文字変換を行う. -t 単純変換を行う. -n 仮名反転変換を行う. -h 変換結果を UCS 十六進数形式で返却する. -s 指定に従って旧字変換を行う. c UTF-8 文字 j JIS 第一・第二水準内文字 h HTML 数値参照 u TeX OTF パッケージ UTF-8 数値参照 (十六進数) a TeX OTF パッケージ CID 数値参照 -x 指定に従って TeX 変換を行う. k 漢文訓読文訓点変換 u TeX 文字変換(Cyrillic, Latin, polytonic-Greek, UTF8-CJK 漢字) i くの字点変換 r キリルT2A変換 t タイ語変換 T タイ語変換 UTF-8 出力 x 拡張変換表を使用 h ^^十六進数変換 a 上記 k, u 及び i の同時指定 f TeX 文字変換(強制変換) -c 指定に従って中韓漢字 TeX 変換を行う. C 中国語簡体字 T 中国語繁体字 K 韓国語 -m 指定に従ってマーキングを行う. h HTML タグ: 辞書変換時 <font color="Red"></font> で囲む 本則変換時 <font color="Blue"></font> で囲む t TeX コントロール・シーケンス: 辞書変換時 \red{ } で囲む 本則変換時 \blue{ } で囲む -g TeX ラテン文字ドイツ語スタイル -b TeX ラテン文字 BibTeX 向けスタイル -u 接続先 URI を指定する. 省略すると筆者のサイト URI が仮定される. |
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制限事項 |
一回当たりの変換実行指示は,実行速度,サーバの負荷等の事情を考慮し 8,000 文字に制限している.思考,推敲しながら文書作成を行うにあたっては十分であると考える. 本サービスはヤワなサーバで運用している上,旧仮名遣い変換において辞書を多量に読み,なおかつ茶筌で形態素解析を行うため性能がよいとはいえない.混雑すると(は思えないが)処理が遅延する場合がある.長文をまとめて処理するよりも,数行程度のテキスト断片を推敲しつつ間欠的に変換指示していただけるとありがたい. 通常だと,2,000 文字サイズのテキストで 15 秒程度,100 文字で 6,7 秒はかかるものと考えていただきたい. Web フォーム版と比較すると,ユーザ辞書の指定ができない.トラフィックを抑制することが専らの目的であるが,Web でのオプション利用状況を見ると,ユーザ辞書を独自に設定した例はほとんどない. |
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利用条件 |
ソフトウェアの利用条件はパッケージ添付の LICENSE を参照のこと. 本プログラム,サービスはその運用結果についていかなる場合においても無保証である. 本サービスはまだα版レベルである.思いついて突貫で作ったのでつまらないバグもあろうかと思うが,ご意見・ご指摘をいただきながら改善したいと思う. サーバは個人で設置した古いノート PC(ThinkPad X20 Pentium III 600MHz,主記憶 340MB)である.個人の PC でもってなにが起こるか分からないし,またメンテナンス等の事情により停止していてもご了承いただきたい.とくに ADSL のルータがよくハングする... もし独自にアクセスプログラムを作成する場合は筆者に必ずご連絡をいただきたい. お断りなくクライアント,サーバの仕様を変更することがある.そのうちキーを配布してアクセス利用制限を行う予定である.できればご利用になる場合はメールでご連絡いただけるとよい.なるたけメール,筆者の Web サイトで通知するつもりである. とくに暗号化等のセキュリティ対策は施してはいない.テキストは平文でネットワークを流れることを認識いただきたい.また本アプリケーションは Web のポートを経由して misima 変換サーバにアクセスする.不安な方はソースコードを添付しているので,ヘンなことはやっていないことを(コーディングはヘボかもしれないが)ご確認いただけるはずである.SOAP サーバも含めて Javadoc で生成したプログラム・ドキュメントを掲載しておく. ご意見や不具合の連絡はメールでいただけるとありがたい.ご質問にも可能な限り対応したい. |
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更新履歴 |
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