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スラヴ研究者にとってMule の最大の特長は、多言語編集機能でしょう。
Mule は ISO 2022 に準拠した文字コードであれば
どんなコード体系でも追加できます。
標準では日本語・韓国語・中国語、ISO 8859-1〜9 で記述できるヨーロッパ語
(西欧・北欧・スラヴ)、タイ語、ヴェトナム語、アラビア語、エチオピア語、
IPA (国際発声記号サブセット) などをサポートしています。
ヘブライ語のような書字方向が右から左の言語も標準サポートされています。
これらの言語が同一テキストにおいて表現可能です。
- 入力 (Quail パッケージ)
多言語入力のために
Quail というフロントエンドが提供されています。
スラヴ語関連の入力は ``''
とよばれるローマ字転写入力やロシアでポピュラーな
``''、そのほかウクライナ語用や
JIS コードのキリル文字入力モードも備えています。
日本語については、
別途「たまご」というインターフェースを備えており、
変換サーバ (Wnn や Canna) と接続してかな漢字変換を行います。
- 編集
正規表現検索が多言語でも利用可能です。
正規表現 (regular expressions)
というのはテキストのパターンを表現するための検索用表現方法であり、
たとえば ``\<ch...e'' という正規表現は、
「語の先頭が ch で 3 文字置いて e が現れるものにマッチするもの」
ということであり、``chaiser'' や ``chance''
などが該当します。
これは、書いた文章の特定の断片の検索や置換に威力を発揮するだけでなく、
文学テキストの解析にも利用可能でしょう。
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