インプットメソッド Xruskb
since Aug. 2 2002

概要

フォントが準備できればロシア語テキストを表示できるようになるが、ロシア語を入力するためにはツール — インプットメソッドが必要だ。わたしは Alexander V. Lukyanov 氏が作成した Xruskb を使っている。

 

インストール

FreeBSD の ports に含まれているのでインストールは簡単である。

# cd /usr/ports/russian/xruskb
# make install
	

 

利用

プログラムの起動は次のとおり。

% xrus キーマップファイル &
	

キーマップファイルとは、入力の文字コードとキーボードのレイアウトのマッピング情報を記述したものである。 /usr/X11R6/share/xruskb ディレクトリ下の一群の *.xmm ファイルがそれである。

このうち、たとえば KOI8-R 文字コードで jcuken 配列(ロシア語キーボード配列としては一般的)に対応したものは "jcuken-koi8.xmm" である。

ロシアのタイプライタに慣れたユーザはこれでよいかもしれないが、わたしはいわゆるローマ字翻字タイプの yawerty 配列である "yawerty-koi8.xmm" のほうが使いやすい。

"yawerty" とはキーボード上段第 2 列目のアルファベット Q-W-E-R-T-Y に Я-В-Е-Р-Т-Ы がマッピングされていることに由来する。同様に "jcuken" は Й-Ц-У-К-Е-Н がマッピングされるが故に。

Xruskb が起動すると標準では "LAT" と表示した小さいウィンドウが開く。これをマウスの左ボタンでクリックするか、または左右の両シフトキーを同時に押下げると、"RUS" と表示が変わる。 "LAT" のときラテン文字(通常の英字)、"RUS" のときキリル文字の入力モードである。

 

日本語キーボードの問題点と対策

Xruskb は一点大きな問題がある。

106 または 109 の日本語キーボードを利用している場合に "RUS" から "LAT" にモードを戻すと英字・記号のキー配列が不正になる。たとえば "&" をタイプしたつもりが "^" となるのである。

これは、Xruskb のキーマップファイル定義が英語キーボード(ASCII) 配列を前提にしているためで、 "LAT" にキーマップを戻す際、日本語キーボードの JIS 配列を意識せず ASCII 配列にしてしまうのだ。 いうまでもなく 101/104 英語キーボードではこの問題は発生しない。

これでは困る。というわけで、日本語キーボードのためのキーマップファイルをわたしなりに yawerty と jcuken の 2 パターン用意したので、お試しいただきたい。いずれも KOI8-R コード前提である。

以下のファイルをダウンロードして、/usr/X11R6/share/xruskb ディレクトリ下に格納する。

その後、

% xrus yawerty-koi8-106.xmm &
	

などと実行する。

 

Xruskb

 

というわけでもないが、PC-UNIX でロシア語を利用する場合、 101/104 英語キーボードをお勧めする。 Windows における漢字入力だって英語キーボードの大きなスペースバーで変換できたほうが効率的ではないかと思う(これはわたしの独断)。

 

DEC 101 US keyboard, Logitec MouseMan