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自宅で LAN


  1. はじめに
  2. 配線の設計
  3. ケーブル/モジュラーコンセントの選択
  4. 結線 (成端)
  5. 部材のまとめ
  6. ネットワーク構成


● はじめに

自宅の新築を契機に、電話線や電源コンセントの引き回しを行うついでに、 LAN ケーブルも引いてもらった。 カテゴリー 5 のツイストペア・ケーブルを宅内配線し、 各部屋にモジュラーコンセントを設置した。

結論から言うと、今現在はたまにサブとメインのパソコンで データ交換を行う程度の利用で、特別に重宝するというのでもなく、 家族皆でファイルやプリンタを共有するわけでもないので、 全くもって無駄な話だった...

でも、私の友人たちのなかには、SOHO のため自宅に LAN を引きたいと考える向きもあるかと思い、参考までに拙宅の LAN 導入の顛末を紹介する。


● 配線の設計

LAN のトポロジーは最もお手軽なスター型の Ethernet (10BASE-T) とした。 HUB (ツイストペア・マルチポート・リピータ) を中心にして放射状に回線を伸ばし、端末を接続する。

宅内を這わせるLAN回線はカテゴリー5 の UTP (アンシールド・ツイストペア・ケーブル) 単線とした。 EIA/TIA-568 規格に準拠した仕様のものが一般的である。

拙宅は LDK、寝室、子供部屋× 2 及びロフトの 5 部屋あり、 どうせなら全部屋からネットワークを利用できるようにする。 このため少なくとも 5 ポートを有する HUB が必要である。

ロフトは妻と私の勉強部屋とすることにしていたが、 妻に頭を下げてここにファースト・マシンとともに HUB を設置させてもらい、 各部屋からの回線を集合させることとした。 各部屋のターミナルはカテゴリー 5 のモジュラーコンセントを壁に埋め込む。 4 部屋からロフトに集線するため、モジュラーコンセントは各部屋側 4 個とロフト側 4 個の計 8 個必要である。

かねがねインターネットへのアクセスを高速化したいと考えていたので、 ISDN を導入する。

電話用モジュラーは TA のアナログ・ポートから宅内を いもずるで接続することとした。

上記仕様で電気屋さんにお願いしたが、 曰く、やったことがないのでわからない、 宅内配線、結線及び壁コンセントの工事は何とかするが、LAN 関係の ブツは自前で準備して欲しい、簡単な結線方法を教えて欲しい。 というわけで私自身で UTP ケーブル、モジュラーコンセント、 HUB と ISDN-TA を秋葉原などのショップから調達することになった。

LANの配線のイメージは下図のとおり。


配線図


凡例




● ケーブル/モジュラーコンセントの選択

宅内を這わせる LAN 回線はカテゴリー 5 の UTP (アンシールド・ツイストペア・ケーブル) 単線とした。

UTP はいくつか種類があるが、EIA/TIA-568 規格に準拠した仕様のものが一般的である。 これは 2 本の線を対にしてよじり、4 対束ねた 8 極 8 芯の単線で、 それぞれの対には、 橙−橙/白、緑−緑/白、茶−茶/白、青−青/白 の色付けが施されている。

LAN Cable LAN ケーブル



宅内の UTP を接続する各部屋のターミナルとなるモジュラーコンセントは、 8 極 8 芯の RJ-45 タイプの口を有し、同様に EIA/TIA-568 規格に準拠したカテゴリー 5 用のものを選択する。 AMP などの有名メーカからいくつも種類が出ている。

電気屋さんは、電話や家庭用電源コンセントは松下電工のものを使っている とのことだったので、私は電気屋さんの壁プレート (コンセントの覆い) に合致すると思われる松下電工製のカテゴリー 5 モジュラーコンセントを 採用した。

このコンセントは埋め込み型なので、 別途取付け金具も用意する必要がある。

RJ-45 Concentrator concent



カテゴリー 5 は通常 10BASE-T と 100BASE-TX で利用される。 つまり 10Mbps と 100Mbps の通信速度が可能なわけであるが、 100Mbps の高帯域で利用するためには信号の減衰などの デリケートな条件があり、モジュラーコンセントの品質など 注意が必要である。 私のパソコンの LAN ボードはメインもサブも 10Mbps の仕様なので このへんはあまり気にしないことにした。

ケーブルとモジュラーコンセントの接続イメージは下図のとおり。


LAN コンセント



● 結線 (成端)

松下電工のモジュラーコンセントには、 当然ながら結線方法の説明書が添付されている。 これを電気屋さんに手渡して結線をお願いする。

結線作業は基本的に電気屋さんに依頼したほうがよい。 最近流行の「なんでもかんでも自作」のノリでやると、 火事・漏電などの危険性をはらむ場合がある。

RJ-45 モジュラージャックの結線部は 110 タイプとよばれる形式の端子であり、 説明書には成端 (結線) は専用のインパクトツール (治具) を利用する旨の記述があるが、 電気屋さんはマイナスのドライバで作業したようである。 さすがプロの仕業、問題無く利用できている。


● 部材のまとめ

項目 メーカ 型式 員数 金額(98/10月) 購入店
RJ-45 CAT5 モジュラージャック 松下電工 NR3111K 8 ¥15,200(¥1,900×8) 秋葉原 愛三
取付け金具 明工社 ML 8 ¥400(¥50×8) 秋葉原 愛三
CAT5 EIA/TIA-568 UTP 単線ケーブル ELECOM LD-CT/T100N 1式(100m) ¥5,850 秋葉原 俺コン
HUB (5ポート) PCI EH-505 1 ¥3,400 川崎 ヨドバシカメラ
ISDN-TA NTT東京 MN128mini 1 ¥12,800 川崎 ヨドバシカメラ

※コンセントカバー (壁プレート) は電気屋さんが提供。

※現在の金額は上記と異なるかもしれない。

※工事費が別途かかる。 電気屋さんから別途見積りをとってください。


5 port HUB HUB ISDN TA MN128mini



● ネットワーク構成

私は、ノート PC に FreeBSD を組み込み、ISDN-TA を接続し、ダイアルアップ・ルータとして利用している。 外部へのパケットを検知して自動的にインターネットプロバイダに ダイアルし接続を確立する。 また、一定時間アクセスがないと自動切断を行い、 電話料金の上昇を抑止するよう設定している。

PC をルータとするには高価にすぎるかもしれないが、 私のノート PC は如何せん、ディスプレイがいかれて暗くなった、 使い古した旧型で、 余生としてふさわしい利用方法ではないかと思う。 ノート PC は静かでよい。

PC は FreeBSD ルータのほか、私、妻用で 2 台あり、 いずれも仕事で利用する Windows のほか FreeBSD をインストールしている。 同時にインターネット接続が行えるよう、 ルータは NAPT (IP Masquerade) オプション付き PPP で通信を行っている。

ルータではセキュリティ確保のため、IPFW により、インターネットからのアクセスを制限 (パケットフィルタリング) している。 IPFW は FreeBSD に実装されているファイアウォールである。

ネットワーク構成イメージは下図のとおり。

network



ネットワークのプロトコルは TCP/IP である。 TCP/IP であれ、Windows ネットワーク (NetBEUI) であれ、 PPP/IPFW であれ、 その設定方法の解説はゴマンとあるのでここでは繰り返さない。


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